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「アベノミクス前」に逆戻りしてしまった日本株相場

「膠着」「閑散」「閉塞感」…漂う「デジャブ」感

岡村 友哉
衆院解散で総選挙へ向けて安倍・自民党総裁(当時)らは気勢を上げた。最近の株式相場はこの直前の状況へ逆戻り(2012年11月、撮影:梅谷秀司)

 「アベノミクス前の感じに戻った」。そう口にする市場参加者が増えている。2012年11月までの相場なわけで、もう3年4カ月も前の話だ。自分が当時残していた場況の備忘録を振り返ると、「こう着」「薄商い(閑散)」「閉塞感」といったワードが多く、「目立った材料のないことが材料」といったフレーズも残していた。確かにそんな感じである、最近の日本株市場。

 データでみても、先週の東証1部の売買代金は目立って少なかったといえる。週間(4営業日)の売買代金合計が7兆7934億円。単純に1日当たりで計算した場合「1兆9483億円」と、2兆円を下回っていた。週間ベースでは今年最低である。

 「グッドフライデー」で海外マーケットの休場が目立った先週末25日には、日経平均株価先物の売買枚数(2万5462枚)が今年最低だった。同日の先物の上下値幅も150円と今年に入って最も小さかった。

 確かに、“アベノミクス前”の感じである。仮に、「アベノミクス前」を2012年の1月~10月末までと定義する。同期間における閑散ぶりをまずはデータでご覧いただきたい。

 “アベノミクス後”から相場を見始めた投資家からすれば「当時のほうがはるかに閑散やないか」という印象を持たれることだろう。売買代金の1日当たり平均は1兆円そこそこで、最低の日は6141億円。日経平均の上下値幅にしても平均90円で、最小は32円……。今では考えられない次元だったのである。

 ただ、この期間の日経平均は、今よりずいぶんと安かった。この期間の日経平均終値を平均すると「9041円」。先週末終値の「17002円」と比べて8000円も安いのである。当時と今を比較し、大まかになるが、株価が2倍強になっていることを前提に見直してみたい。

 株価の絶対値が2倍だとすれば、売買代金は当時の2倍になってもおかしくない(ただし、同じ売買頻度であれば)。上下値幅もしかり。一方、先週の1日当たり売買代金「1兆9483億円」は、半分にすれば1兆円割れとなる。先週末の日経平均(現物)の上下値幅136円も、半分にすれば70円弱。たしかに“アベノミクス前”仕様にモデルチェンジしているような印象だ。

 特に最近は、消費再増税の再延期、10兆円を超えるような財政出動(経済対策)への期待感も醸成されつつある。こういう話がアベノミクス開始から3年以上も経過したのに議論されていること自体、アベノミクス前の暗いムードの「デジャブ」といえる。「保育園落ちた」ブログの後押しもあり、待機児童の解消が経済対策の柱になるといわれている。これも「デジャブ」だ。

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