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発想を切り替えろ!投資の世界でもトランプ現象は起きる

『It Can't Happen Here』

エミン・ユルマズ
ロシアに友好的とされるトランプ氏だが地政学的にはどんな変化が(Aquir / PIXTA〈ピクスタ〉)

 米国の大統領選挙はドナルド・トランプ氏の勝利で幕を閉じた。実は米国とロシアの関係は1973年以来、最悪の状況に陥っていたので、ロシアに友好的なトランプ氏が大統領になることは地政学的な観点から見るとポジティブな動きかもしれない。

  米ロの関係は2016年に入ってから著しく悪化した。ロシアによるシリア内戦への軍事介入は内戦の行方を変え、アサド政権の打倒をほぼ不可能にした。米国はウクライナ問題でも対立したロシアに経済制裁を行っているが、直近では国際通貨基金(IMF)や世界銀行からロシアのプロジェクトへのファイナンスもブロックし始めているようだ。

 これを受け、ロシアのプーチン大統領は10月3日、米ロの核軍縮合意により生じた余剰プルトニウムの処分に関する米国との合意を停止する大統領令を出した。その2日後には核・エネルギー関連分野の研究・開発協力に関する協定も停止すると発表。さらにロシアメディアは国民に対し、ロシア本土への攻撃に備え、近くの空爆シェルターの場所を覚えるよう促し、政府は核弾頭を搭載できるミサイルをポーランド国境に移動させた。日本のメディアはあまり注目しなかったが、実に怖い展開になっていたのだ。

 ドナルド・トランプ氏は孤立主義を唱え、外交政策としては米国の外国関与を減らすというアンチ・グローバルのスタンスをとっている。したがって、今後のリスク要因は大国同士の戦いよりも、地域国家の摩擦かもしれない。

 特に中東への関与が少なくなることは地政学的に大きなリスクとなる。中東で同盟国は米国の後ろ盾を失い、立場が弱まり、立場が弱まるにつれてより攻撃的になる可能性がある。たとえば、直近のエジプトのイランへの接近はイスラエルの危機意識を強める可能性がある。また、サウジアラビアもイラン・ロシア軸に対して立場が弱くなり、湾岸諸国も窮地に立たされ、攻撃的になる可能性が大きい。

ここ(この国)ではありえない!

 今月紹介する本はシンクレア・ルイス氏の『It Can’t Happen Here』である。この本は小説であって株の本ではない。シンクレア・ルイス氏は米国初のノーベル文学賞を受賞した作家である。1935年に出版され、当時ベストセラーになったが、今年の米国大統領選挙を80年前に予言したとのことで最近再び注目されるようになった。

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