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市場を大きく揺り動かしかねない次のイベントは?

米次期政権以外にも警戒材料が山積

新見 未来
m3ron/PIXTA(ピクスタ)

 米大統領選前に「リスクオフ」へ傾いていた市場は、トランプ新大統領誕生をきっかけに急反発した。減税とインフラ投資による米景気加速を期待した株高・金利高・ドル高が起きた格好だ。ただ、トランプ次期大統領のもう一つの顔である反グローバル姿勢に着目する場合、市場は違う反応をみせる可能性がある。

 環太平洋経済連携協定(TPP)は事実上、成立の見込みがなくなった。米大統領は税制や予算については議会の同意がなければ自由に動かせる権限はなく、すでに議会が批准している北米自由貿易協定(NAFTA)などについても勝手に破棄することはできない。

 だが、大統領は緊急輸入数量制限(セーフガード)や一時的な関税である輸入課徴金を導入できる。実際、1971年8月に当時のニクソン大統領はドルと金の交換停止とともに10%の輸入課徴金をかけた。これが、いわゆる「ニクソンショック」で、同様の「トランプショック」があっても不思議ではない。

 米企業の多くは低賃金の海外労働者を雇用したり、業務の一部を海外でアウトソーシングしたりして、雇用コストをできるかぎり抑制しようとしている。そうした自由なグローバル業務を規制しようとすれば、企業収益にとってマイナスだ。もちろん輸入課徴金をかければ米国向け輸出の多い日本や中国などアジアの企業にダメージを与えるだけでなく、現地生産したものを米国に逆輸入している米多国籍企業などのコストを増大させる。

 最終的にそのコストは米国の消費者に転嫁されて物価を押し上げる。そうした保護主義的な施策は相手国の報復措置につながり、貿易戦争に発展するおそれもある。

 このようにグローバル化の流れを制限するのは企業収益悪化、物価上昇につながりかねない。トランプ新政権がそうした脅しで通商交渉を有利に進めようとすれば、ドルは売られるだろう。だとすれば、減税とインフラ投資による米景気加速だけを期待した今の株高・物価高・金利高・ドル高は続きにくい。物価高・金利高が続いたとしても、企業収益減少で株価は下落し、為替相場はトランプ氏の出方次第で大幅なドル安に振れるリスクがある。

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