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ひと相場を演じたあの「電池相場」がまたやってくる!

あれから19年、76冊読破した男の「深イイ話」(93)

渡部 清二
ハイブリッドや燃料電池車で先行していたトヨタが方針を転換、EVの量産に打って出る(写真は燃料電池車MIRAIを生産する元町工場)

 米国のトランプ次期大統領の誕生により、世界は「大転換」の時代に入ったようである。たとえば同氏が掲げる米国第一主義や環太平洋経済連携協定(TPP)からの撤退は、国家間の壁を超えて自由に競争できる「自由貿易」から、自国優先の内向きな「保護貿易」への転換を意味しているし、インフラ投資の拡大は「金融政策」から「財政政策」への転換を意味している。

 ところでトランプ氏のニュースの陰に隠れてあまり目立たないが、トヨタ自動車が今後の方針を大きく「転換」させようとしている。それは11月17日に同社が発表した、「早期にEV(電気自動車)の量産を目指す」というものだ。

 今までトヨタは、EVの航続距離の短さや電池のコスト高などを理由に、EVに力を入れる日産自動車とは一線を画してきた。が、2018年から米カリフォルニア州で「排ガスゼロ(ZEV)規制」が強化されるなど世界的に環境規制が厳しくなるのに対応し、これまでの方針を転換させるようだ。

 独フォルクスワーゲン(VW)も同様に「EVへの転換」に向け大きく舵を切った。11月18日に排ガス不正問題から立ち直るために発表した方針は、全世界で3万人の人員を削減する一方、ドイツ国内でEV部門に35億ユーロ(約4100億円)を投資し、新たに9000人の雇用を創出。2025年に新車販売の25%をEVにするという内容だ。VWは労働組合が強い力を持っていることで有名だが、今まで聖域だった人員削減にまで踏み込んだことは、「EV転換」への本気度を感じさせる象徴的出来事となった。

 15年の世界のEV販売台数はおよそ35万台。トップはテスラモーターの5万台だったが、そのテスラも20年までにEV販売を100万台に拡大するとしている。そこに自動車販売で世界1位と2位のガリバーが加われば、EV市場は今後数年で数十倍に急拡大する可能性がある。相場テーマとしてもEVで重要な「電池」が注目されそうだ。

08年にもあった電池相場

 しかし「電池」は新しいテーマかというと決してそうではなく、実はリーマンショックがあった08年にひと相場を演じたことがある。

 08年1月に高値1万5000円程度をつけていた日経平均株価は、10月にかけて半分以下の7000円割れまで暴落した。そんな中で自動車用バッテリー世界3位のジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)は09年1月安値195円から09年6月高値1228円まで、株価6倍以上の大相場を演じているのだ。

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