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17年初からのドル高反転シナリオを警戒

米国の実体経済はさほど強くない

新見 未来
年明けにドル高の流れが変わる可能性も(写真は三菱東京UFJ銀行の為替ディーリングルーム)

 2017年初めに12月の米ISM景気指数(1月3日発表)、11月の米貿易統計(同6日発表)など米経済指標の公表が相次ぐ。ひょっとしたら、米国の大統領選以降、急速に進んだドル高を反転させるきっかけになる可能性があり、注意しておく必要がある。

 ドル高は日本や欧州の経済にとってはプラス要因とされているが、①米国景気、特に多国籍企業を中心とする同国企業の収益悪化、②貿易面での同国の輸出競争力低下(保護主義的な動きが強まるおそれ)、③同国への資金還流による新興国経済の悪化、などを通じて同国経済、ひいては世界経済にも悪影響を及ぼす懸念があり、早ければそれが経済指標に表れてくる。

 ドルの総合的な強さを反映したドル実質実効レート(連邦準備制度理事会<FRB>データ、1973年1月1日=100)を見ると、11月の水準は101.3。12月に入ってさらに約2~3%ドル高へ振れているため、現在は103~104程度になっているとみられる。だとすれば、ドル高が問題になった16年1月の水準(100.9)を超え、03年以来のドル高水準だ(図1参照)。

 では、このドル高が米国経済を悪化させるのだろうか。トランプ新大統領への期待から力強く上昇している株式市場の動きとは裏腹に、実体経済については上向いているものの力強さがみられない。確かに、16年7~9月の成長率は年率3.5%に加速(4~6月は1.4%)。景況感を示すISM製造業景気指数は9、10、11月と3カ月連続で景気判断の分岐点である50を上回っており、トランプ以前に米景気が上向いている様子がうかがえる。

 こうした状況下でトランプ新大統領の政策が追い風になり、米国経済が一段と加速するという見方が出てきても不思議ではない。

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