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突如噴いた「トランプ砲」の中身が株価の行方を決める

警戒を解くのはまだ早い

岡村 友哉
「驚異的な」減税には所得税減税も盛り込まれるのだろうか…(写真:claudiodivizia/PIXTA〈ピクスタ〉)

 日本では非常に注目された日米首脳会談。テレビに映し出される映像からも、その友好的な雰囲気は十分伝わった。日米間の同盟強化を確認する100点満点の会談だったと評価されているようだ。「腹の内は違うんじゃないか?」といった勘繰りは、現時点では野暮なのだろう。週明け13日のドル・円相場は1ドル=114円台、日経平均株価も一時、1万9500円台を回復した。

 ただ、この水準で日経平均が取引されている直接的理由は、日米首脳会談の成功でないことは明らかだ。多くの市場参加者が不意を突かれたのは、「今後2~3週間のうちに、税制で驚異的な(phenomenal)発表がある」という9日のトランプ米大統領発言の威力、である。それまでが保護主義的な政策が続いていたこともあり、最上級の強調表現とされる「驚異的な」に対して米国株、同金利、ドルすべてが強く反応した。

 そもそも、日米首脳会談待ちだった日本の市場参加者にとって、“会談の直前”で急騰するシナリオへの準備は整っていなかった。だからこそ、トランプラリー再開に市場が歓喜したわけではなく、「買い戻し祭」の様相になったことが想像できる。個別株の値動きを見ても、これまでトランプ警戒時に買われてきたソフトバンクグループ (9984)が勢いを弱め、一方でトランプ警戒時に売られていた自動車株が大幅高。先物売り(に伴う需給悪化)で値段を崩していたファーストリテイリング (9983)なども先週末10日の主役になった。

 いわゆる“トランプ砲”一撃でリバーサルが急速に進んだのは「すごい!」の一言である。これまで下げ止まってきたドル・円の112円割れで調整局面入りか、といった一般的な解釈はまるで通じなかった。1回当たり700億円強を投じる“日銀砲(日銀のETF買い)”は存在感が薄まるばかりだが、発言やツイートだけでお金のかかっていない“トランプ砲”の威力には脱帽するしかない。

 日本発で求心力のある話題が消えていたところに、強烈な個性が登場したことがマーケットに彩りを添えていることだけは間違いなさそうだ。今後の焦点は、2016年4~12月累計決算発表後の好決算銘柄の見直しではなく、一にも二にも、トランプ大統領が予告した「驚異的な」減税策の中身になりそうだ。

東洋経済から絶好調企業を先取り

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