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決算情報に依存した売買の落とし穴

笑止千万の“業績相場”

岡村 友哉
定量情報だけに頼るデイトレーダーが少なくない(撮影:吉野純治、写真と本文は関係ありません)

 前週13日にフランスのパリで発生した同時テロを受けて週初の16日には物色される日本株があった。警備の国内大手セコム (9735)ALSOK (2331)の動意は乏しかったが、材料を手掛かりにキーワードだけで売買する中心プレーヤーは個人投資家である。中小型株のCSP (9740)は明らかに買われていたほか、監視カメラ関連で池上通信機 (6771)あい ホールディングス (3076)にも買いが入った。

 さらに、最も小型な銘柄(時価総額20億円未満級)にジャスダック上場のRSC (4664)という銘柄がある。これが朝から買い気配でストップ高となった。池袋のサンシャインシティや官庁関係の警備業務を手掛けているとはいえ、頭で理解しようとするのは無理な反応といえよう。先週12日に人知れず今2016年3月期上期(2015年4~9月)業績の下方修正をしたが、何らかの「期待」が「現実」に勝る形となった。

 この例は、「現実(決算)→期待」の順番になったことで起きた現象だが、順番が逆になると悲惨である。先週でいえば、12日引け後に地盤ネットホールディングス (6072)が今16年3月期純利益予想を従来の3.8億円(前期比約36%増)から1.15億円(同59%減)へ下方修正したのがきっかけになり、翌13日には暴落した。

 上期(15年4~9月)の売上高が予想未達となったことが理由となった通期計画の減額。上期の期末は9月になるため、10月に急騰した際の“横浜のマンション問題を受けて地盤の調査が増えるのではないか?”なる「期待」はその後の話である。それでも、投資家は「期待」が芽生える前の「現実(決算)」であっさり見切ってしまう。当初の「期待」とされた話題は単なるトレードネタであって、その先行きを見届けようとする投資家は非常に少ないようである。

 これも期待と現実のギャップを利用した一種の「イベントドリブン」であり、デイトレードが主流の日本の個人投資家が作る新興株がファンダメンタルズを反映しにくい一因といえる。デイトレードが主流であるため、決算プレーも非常に雑という現実もある。

 決算を受けて「買うか買わないか」の判断を、業績数字だけで行う投資家が多いようにも思える。新興株はアナリスト予想がほぼ皆無なため、「上方修正イコール買い」で寄り前に目星をつけている投資家が多い(そういった株式関連のニュースや記事も多い)といえる。デイトレ前提なので、定量的な情報で投資行動を決めている投資家が多すぎるということだ。

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