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過去データで分析! 「暴落相場の底」を見極める方法

まだ日本株は底打ちしていない!?

中原 良太
2017年04月19日
RichR / PIXTA(ピクスタ)

 4月に入ってから、日本株の下落が止まりません。日経平均は3月末時点の1万8909円から、4月14日には1万8335円まで下落しました。わずか2週間で、日経平均は600円近くも下落した計算になります。

 この背景には、北朝鮮やシリアなど、地政学リスクが高まっていることがあるといえるでしょう。円高も進行しており、日本株市場はリスク回避の動きが強まっています。

 これだけ日本株が下落してくると、「そろそろ逆張りのチャンスかな?」「いやいや、まだまだ下がるんじゃないか?」といった葛藤が生まれてきます。割安感のある株もちらほら出てくるので、逆張りで買い付けたくなってきますよね。

暴落相場の底を見極める方法

  ただ、これから先も仏大統領選など、相場が大きく動きそうなイベントが控えている上、逆張り投資は「ナイフつかみ」の投資とも言われるぐらい高リスクな投資法です。取引のタイミングを間違えると、大きな損失を被る可能性があります。よって、株を買い付けるときには、慎重に動くのが良いでしょう。そう考えると、今のうちから株を買い付けるのに良いタイミングを知っておきたいものです。

 そこで今回は、相場下落をしたときに最適なタイミングで株を買い付けるべく、「暴落相場の底を見極める方法」を過去の株価データから紐解いてみることにしました。

 では、具体的に「暴落相場の底」を見極めるには、どのような指標に着目すれば良いのでしょうか。今回、「日経平均株価」の動向に着目しました。日経平均は国内外の多くの投資家が注目する指標であり、日本の主要企業から算出されている指標でもあります。この指標を参考にすることで、上手く底を見極められると考えました。早速、過去の株価データを使って、詳しく調べてみましょう。

実験:日経平均株価の底を見極める分析
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◎分析対象
→日経平均株価

◎株を買うタイミング
→終値が◯日前終値よりも△%以上安い場合、翌日に買い

◎株を売るタイミング
→7日間保有後、翌日に売り
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 上記の分析方法の中には、「◯日」「△%」といった表記があります。これは、それぞれにパラメータを入力することで、相場下落の度合いに応じた集計を行うのが目的です。まず、「◯日」の欄には5、20、120、250の4つのパラメータを入力します。「△%」には、それぞれ2、4、6、8、10%など下落率を入力します。

 この日数にしたのは、四季報オンラインの株価指数のページでも調べられる「前週比(約5日)」「前月比(約20日)」「6カ月前比(約120日)」「前年比(約250日)」に近しいのが理由です。これらの期間の日経平均の動向について、下落度合いに応じた動向を詳しく調べました。

集計結果:日経平均株価の底を見極める分析
(検証期間:1990年3月1日?2017年3月31日)

 以上が「日経平均株価の底を見極める分析」の検証結果です。上記の検証結果を確認すると、「◯=5日」「◯=20日」においては、日経平均の下落幅が大きいほど、勝率が高まっていく傾向が確認できました。一方、「◯=120日」「◯=250日」では、日経平均の下落幅が大きくなっても勝率は殆ど変わらず、目立った傾向が確認できませんでした。上記を踏まえると、暴落の底を見極めるためには、中長期よりも短期の動向を確認するのが得策と言えるでしょう。

 また、中でも「終値が5日前終値よりも10%以上安い場合」「終値が20日前終値よりも15%以上安い場合」は、勝率も高く、平均損益率も大きくプラスでした。よって、相場の底打ちを確かめたいときは、これらの条件が当てはまるタイミングが良い参考材料となるでしょう。

 ちなみに、4月14日時点の日経平均を確認すると、「前週比-1.76%」「前月比-6.40%」といった状況。うかつに手を出さず、我慢してじっと待つ姿勢が大事なのかもしれません。

本記事のまとめ:
・下落相場を狙った「逆張り投資」は「ナイフつかみ」とも呼ばれる高リスクな投資手法である
・短中期の日経平均の動向を確認することで過去相場の暴落の底は判別しやすかった
・1990年以降の相場では、日経平均株価の「終値が5日前終値よりも10%以上安い場合」「終値が20日前終値よりも15%以上安い場合」は1週間以内に相場が反発しやすかった。
中原良太/1990年生まれ。慶應義塾大学理工学部卒。投資情報サイト「株式予報」代表。2015年にYahoo! ファイナンス株価予想達人にて「ベストパフォーマー賞」と「通算最高勝率者賞」をダブル受賞。近著に『株3年生の教科書』『株2年生の教科書』(共著、総合科学出版刊行)。
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