株価1万7000円割れが一時的であると考えるワケ

「負の連鎖」は起きていない

清水 洋介
日経平均株価は18日、約3カ月半ぶりに1万7000円を割り込んで取り引きを終えた

 2016年に入ってから、株価の下落局面が続いている。中国の株式市場の混乱に端を発したという見方もできるが、実際には米国の利上げの影響を懸念しての持ち高調整が続いているということだろう。さらに、原油価格の下落が、中国の景気減速や産油国のオイルマネーの換金売りに対する懸念につながり、株式市場を大きく下落させる要因となっている。

 原油価格の下落が「リスク回避」のためだとすると、その流れが止まれば株式市場の下落も止まる。「リスク回避」と言えば、08年秋のリーマンショック時に一気にリスク回避の動きが出て大きな下げとなった。しかし、アベノミクス相場と言われたここ何年かの間にも相場の急落局面はあった。では、リーマンショック時との大きな違いは何だろうか。

 まず、今回は「金融不安」という言葉が出ていない。景気が落ち込む「かもしれない」ということで売られ、リスクが回避されることはあっても、「疑心暗鬼」で金融機関の経営自体がおかしくなるという懸念は出ていない。つまり、リーマンショック時のような「どうなれば不安がなくなるのか」が見えないことがリスク回避に拍車をかけるという、負の連鎖は起きていない。

何も変わっていない

 今回の急落の発端は、13年5月の米国の緩和政策の見直しだったと考えられる。そこに「シェール革命」がもたらした原油安が加わり、原油安が「リスク許容度の低下」につながってリスク回避の流れとなった。ただ、原油安も多分に戦略的なものを感じる。したがって原油価格が安くなったからといって、金融不安が高まるということはないだろう。

 原油価格が下落することで、アラブや北欧のオイルマネーが枯渇すれば問題は大きい。しかし、株などに投資していたオイルマネーの単なる持ち高調整だけであれば、昨年8~9月、そして13年の5~6月、14年1~4月の急落局面のように、「一過性」で終わる可能性が高い。

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