「渋沢栄一」銘柄を知れば「あさが来た」はもっと楽しくなる

あれから19年、73冊を読破した男の深イイ話ー(72)

渡部 清二
埼玉県深谷市にある渋沢栄一の生家「中の家(なかんち)」(筆者撮影)

 NHKの朝の連続テレビ小説「あさが来た」が大人気だ。ビデオリサーチ調べの「2015年年間高世帯視聴率番組30(関東地区)」によると、1位から4位までは、NHK紅白歌合戦の2部(39.2%)と1部(34.8%)、箱根駅伝の復路(28.3%)と往路(28.2%)という怪物番組が占めているものの、次の5位につけているのは、現在放送中の「あさが来た」(27.2%)だ。紅白歌合戦や箱根駅伝は年に一度の大イベントなので視聴率も別格とすると、「あさが来た」が実質1位と考えてよい。

 NHK連続テレビ小説はほかにも、国産初のウイスキーづくりのドラマを描いた「マッサン」(25.0%)が9位に、また能登地方を舞台にヒロインがパティシエを目指してゆく「まれ」(22.7%)が16位になるなど、ベスト20位に三つの作品がランクインしている。

 ちなみに民放ドラマの最上位はTBSの「下町ロケット」(22.3%)でやっとの20位だ。大ヒットした割にはちょっと意外な感じを受ける。

 「あさが来た」はどのようなドラマかというと、「激動の時代の大阪を明るく元気に駆け抜けたおてんば娘と陽気にヒロインを支え続けたボンボン夫のおもろい夫婦が日本の朝を明るく照らす物語」(NHKホームページ)である。ただしヒロインの「あさちゃん」こと「白岡あさ」は、明治時代に実在した女性実業家の広岡浅子をモデルにしており、ストーリーや登場人物は史実にもとづくものが多い。

 では実際の広岡浅子の生い立ちや活躍はどのようなものだったのか、以下のとおり簡単にまとめてみた。

・幕末の1849(嘉永2)年に三井家に生まれ、大阪の豪商「加島屋」の広岡信五郎のもとに嫁ぐ
・加島屋は堂島米会所の米仲買への融資や諸藩への融資、いわゆる「大名貸し」を本業としていたが、廃藩置県によりこれらの債権がなかったものになり危機を迎える
・この危機をきっかけに浅子の事業家魂に火がつき、九州での炭鉱経営を皮切りに、銀行の設立、大同生命(現T&Dホールディングス、8795)の創業、日本女子大学の設立に尽力した
・広岡信五郎も尼崎紡績(現ユニチカ、3103)設立の発起人の一人となり、かつ初代社長を務めるなど活躍した

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