個人投資家は「落ちてくるナイフ」をつかむべからず

「厳選注目株」でおなじみの岩本秀雄さんに聞いた

松崎 泰弘
下げ止まらぬ株価に個人投資家も不安を募らせる(撮影:尾形文繁)
 10日の東京株式市場は続落。日経平均株価は2014年10月以来の1万6000円割れとなり、「黒田バズーカ2」直前の水準へ逆戻りしてしまった。市場関係者には「相場の地合いはそれほど弱くない」との見方もあるが、株価に下げ止まりの兆しが見えないとあって投資家にはえも言われぬ不安が広がっている。こうした状況に個人投資家はどう対処すべきか。「厳選注目株」でおなじみのストックボイスキャスター、岩本秀雄さんに聞いた。

 現在の相場には1987年の「ブラックマンデー」と2008年の「リーマンショック」が一緒に来てしまうかのような雰囲気が醸成されている。このまま放置しておけば、「リーマンショックはまだ終わっていなかったんだ」といったムードが広がりかねない。

 10、11両日には米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が議会証言に臨む。12日にはオプションの決済に伴う特別清算指数(SQ)の算出も控えている。中国の「春節」も今週で終わり、イベント通過を受けて来週はリバウンドがありそうだ。

 いわもと・ひでお●インターネットテレビで株式市況の実況放送を行うストックボイス副社長、キャスターとしても活躍。著書多数。(撮影:梅谷秀司)

 だが、本当に底入れするためには、新興国に資本規制を課すなど中国も含めた世界各国の政策協調が欠かせない。26、27両日に上海で開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が協議の場になるとみられるが、そこまで待っていると間に合わない恐れもある。「ダブルショック」が現実のものになってしまうかもしれない。早急な対応が必要だ。

 信用取引を手掛けている個人投資家は“痛んでいる”が、現物の売買をしている個人の多くはさほど深い傷を負っている感じがしない。10日の相場でも「突っ込み買い」の動きがあった。1万6000円割れで目先は買ってみたいと思うところだろう。

 だが、反発しても現状ではせいぜい1万7000円程度。昨年の大納会の取引時間中に付けた高値1万9113円から10日安値1万5429円までの下げ幅に対する半値戻し水準の1万7271円奪回は難しそう。むしろ、一段安のシナリオも考えておかねばならない。

 ここまで下げてしまったのだから、相場全般が落ち着きを取り戻すまで待つのが賢明だ。「落ちてくるナイフはつかまない」ほうがいい。

(聞き手:四季報オンライン編集部 松崎泰弘)

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