株価で見た“フィンテック”銘柄人気ランキング

株価7倍の銘柄も

古庄 英一
ブロックチェーン技術を開発したテックビューロの朝山貴生代表(写真左)とインフォテリアの平野洋一郎社長(写真右)

 フィナンシャル(金融)とテクノロジー(技術)を融合させる、「フィンテック」という金融システムの新概念が、株式市場に一大旋風を巻き起こしている。

 関連銘柄の主役が大手ITベンダーではないところがミソ。ビッグデータなど最先端技術を活用した新たな手法の開発に取り組む、無名の新興ベンチャー群に注目が集まっている。投資家は足元の収益よりも将来性を重視しており、昨年末から年始にかけて株価が大化けした銘柄も多い。表は、主な関連銘柄の株価上昇率ランキングだ。

高値を維持する銘柄も

 フィンテックが一躍脚光を浴びることになったきっかけは、経済産業省が昨年10月に「FinTech研究会」を設立し、規模を問わず参加者を募ったことだ。同研究会の設立メンバーに名を連ねた上場ベンチャーへ新規資金が流入。銀行界の要請で、関連ベンチャーに出資できるように、金融庁の金融審議会が銀行法改正を早期に図ると報道されたことも、株高に拍車をかけた。

 個別銘柄で、ブームの先鞭をつけたのが、ランキング2位のインフォテリア(3853)だ。昨年12月4日、仮想通貨「ビットコイン」の基盤技術を応用した独自のブロックチェーン技術を開発したテックビューロ(非上場)と協業し、決済処理の効率運用プラットフォームを発売すると発表。株価は出来高を伴って暴騰した。

 12月16日に今度は、さくらインターネット(3778)がテックビューロと自社のクラウド上で潜在顧客に無償の実証サービスを提供すると発表。1月7日に、インフォテリアも実証実験に加わるとリリースした。

 さくらインターネットの現在の主力事業は、データセンターの運営だ。2016年3月期の売上高計画は120億円、営業利益は10・5億円。1月25日に発表した第3四半期の売上高は89・7億円、営業利益は6・7億円で着地し、会社計画を達成できるかは微妙。過熱していた株価は、冴えない業績発表を受けて下落しても不思議ではなかった。だが、逆に上昇し、2月も高値圏で推移している。

 関連銘柄は、玉石混淆でこれから淘汰されていくだろう。ただ将来に大きな可能性を秘めていることから、SBI証券の藤本誠之シニアマーケットアナリストは、「息の長い相場テーマになりそうだ」と期待を寄せる。

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さくらイン (3778) インフォテ (3853)

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