「悲観の極み」をモノにする発掘法、浮かび上がった銘柄とは

あれから19年、73冊を読破した男の「深イイ話」ー(73)

渡部 清二
兜町の証券会社前には長期金利がマイナスをつけた瞬間を撮ろうと報道陣が集まった(2月9日)

 株価の下げが止まらず、2月12日に日経平均は終値でついに1万5000円を割り込んだ。今週はは大きく反発してスタートしたが、まだ予断を許さない状況である。

 また2月9日には日本の長期金利の指標である10年国債利回りがついにマイナス金利に突入し、スイスに次いで世界で2例目となった。これは日銀のマイナス金利政策とはまったく別の話で、安全・確実で利回りが保証される日本国債が、満期まで持つと確実に損するという、今までの常識が完全に覆されてしまった大事件でもある。

 損失確定の国債をなぜ買うのか。さらなる金利の低下を見越して利益を取りにいったという積極的な投資家もいたと聞くが、安全のためなら少々の損失は仕方がないという消極的な理由がほとんどだったのではないかと思う。

 このように日本のみならず世界中ででリスク回避の姿勢が強まる中、日経平均株価は昨年8月から半年で約30%下落、過去最大だった東証1部の時価総額は約150兆円も減少した。昨年11月には郵政3社が大型上場し、10兆円以上もの押し上げ効果があったにもかかわらずである。

 150兆円という数字はとてつもなく大きく、国家予算の1.5倍、日本のGDPの3割に相当する。これがさらに連鎖的に年金の減額や消費マインドの低下につながり、日本はピンチに陥るのではとの悲観論が日増しに高まり、改めて株式のリスクが意識されている。このような状況下でいったい誰が株式を買うのかと、疑問に感じる方も多いと思う。

 しかし一方で、このような大きな変動こそが株式のダイナミズムであり、「ピンチはチャンス」と捉える投資家もいるのも事実である。

「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく。悲観の極みは最高の買い時であり、楽観の極みは最高の売り時である」

 これは米国の著名な投資家であるジョン・テンプルトンが語ったとされる非常に有名な相場格言だが、まさに今の状況は「悲観の極み」であり、彼に言わせれば最高の買い時なのかもしれない。

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