「クリエイティブ・エコノミー」時代の勝ち組企業の条件

200年後にも期待? のあの企業

岩崎 日出俊
ヤマハのピアノ製作風景(撮影:梅谷秀司)

 英オックスフォード大学で人工知能などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授。『雇用の未来』と題する論文を著したことでも知られるオズボーン准教授は、『週刊現代』のインタビューで次のような主旨の発言をしている。

「洗濯機の登場で、手作業で行っていた洗濯という仕事は奪われた。しかし、それによって余った時間で、新しい技術や知恵が創造された。ロボットやコンピュータは、芸術などのクリエイティブな作業には向いていない。人間は機械にできる仕事を機械に任せれば、より高次元でクリエイティブなことに集中できる。これによってクリエイティブ・エコノミーの時代が切り開ける」

 こうした近未来にはエンターテインメント業界が注目されるとして、昨年6月に配信した本連載の第6回『「機械を使いこなす人」と「機械に仕事を奪われる人」で広がる格差』で、米ウォルト・ディズニー社を取り上げた。時価総額18兆円を誇る巨人ディズニーに比べれば小ぶりではあるが、実は日本にも注目すべき企業がある。浜松に本社を置く時価総額6000億円の企業、ヤマハ(7951)だ。

ヤマハとヤマハ発動機の関係性

 ここでヤマハとヤマハ発動機(7272)の関係について簡単に押さえておこう。ヤマハは創業者、山葉寅楠(やまは・とらくす)が、1887年、オルガンの修理・製作に成功し、これを事業化したことから発祥した会社である。1900年に日本で初めてピアノの製造に成功した。そして1987年には、創業100周年を記念して、社名を日本楽器製造からヤマハに変更、現在に至っている。

 一方のヤマハ発動機は、1955年に日本楽器製造のオートバイ製造部門が分離され独立することによってスタートした。ヤマハとヤマハ発動機は、当初は親と子の関係にあったが、現在ではどちらの会社もそれぞれ東証一部に上場している。ヤマハはヤマハ発動機の12%の株を持ち、ヤマハ発動機はヤマハの5%の株主である。どちらの会社にとっても相手方は持ち分法適用会社ではない。

 ヤマハの売り上げ4370億円(16年3月期予想)の64%は、ピアノなどの楽器の製造販売が占める(残りは音響機器など)。ピアノは欧州で1700年ごろに発明されたと言われている。18世紀半ばにはバッハが試演、その後も作曲家や演奏家の要求によって進化をし続け、19世紀前半にはショパンたちによって愛用された。

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ヤマハ発 (7272) ヤマハ (7951)

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