マイナス金利の“副作用”に苦しむユーロ圏経済

ECBの追加緩和濃厚だが手詰まり感も

新見 未来
ECBのドラギ総裁は3月理事会での追加緩和を事実上予告(写真:phoelix/PIXTA〈ピクスタ〉)

 2月26、27両日に開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、声明で「政策を総動員し世界経済の成長を支える」姿勢を打ち出した。中国人民銀行がまず同月29日に預金準備率引き下げへ動いたが、今後も10日にECB(欧州中央銀行)理事会、14~15日に日銀政策決定会合、15~16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)と日米欧で金融政策を決める一連の会議が続く。

日銀は1月にマイナス金利政策を打ち出したばかり。利上げを目指すFOMCはデータを見極めながらも、どちらかといえば様子見姿勢だ。最初に動くのはECBとみられる。

1月21日の定例理事会でドラギECB総裁は「次回3月の政策委員会で再検討し、場合によっては再考することが必要になる可能性がある」と追加緩和を事実上予告した。実際、経済悪化で追加緩和の必要性が高まっているためだ。

 2015年10~12月のユーロ圏GDP(国内総生産)は前期比プラス0.3%とさほど悪くなかったが、情勢は年末以降急速に悪化した。12月まで緩やかに上昇していたユーロ圏景況感指数は年が変わって1月、2月と連続で大幅に低下し、昨年6月以来の水準に落ち込んだ。2月のユーロ圏消費者物価は前年比0.2%下落と5カ月ぶりのマイナスになった。

 ECBは15年12月3日に下限政策金利である中銀預金金利をマイナス0.2%からマイナス0.3%へ引き下げるとともに、債券購入プログラムの期間を6カ月延長して来年3月まで続けることを決めたが、この追加緩和が景気や物価を押し上げる効果は限定的だった。金融状況はむしろ引き締まりぎみになり、経済にマイナスに作用した可能性がある。

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