年後半は円安だが、目先は110円前後まで再上昇も

SMBC信託銀行プレスティアの尾河さんに聞いた

松崎 泰弘
(写真:PIXTOKYO/PIXTA〈ピクスタ〉)
20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の結果などを受けて円高ドル安が一服。これを好感して株価も上昇する展開となっている。来2017年3月期の企業業績をめぐって市場関係者からは「2ケタ減益」を予想する声も上がっており、円相場の行方は非常に気になるところ。わかりやすい解説で定評のSMBC信託銀行プレスティアの尾河眞樹シニアFXマーケットアナリストに見通しを聞いた。

 ドル・円相場は3月末に向けて1ドル=110円前後までの円高ドル安進行も想定しておかねばならないだろう。海外で重要なイベントが多く、状況次第では価格変動率(ボラティリティ)が大きくなる可能性があるからだ。

 G20開催前に米国のルー財務長官が米ブルームバーグテレビに出演。「最近起きていることは金融不安ではなく、世界経済の減速への懸念を反映したものである」という趣旨の発言をして、日本、ドイツ、中国に対する財政出動を求める姿勢を示した。

 G20の声明は財務長官の発言に沿う内容だったといえる。金融市場も落ち着きを取り戻し、米シカゴオプション取引所(CBOE)が算出しているボラティリティ・インデックス(VIX)も低下した。

 「金融政策に頼るだけではもはや、世界景気の浮揚は難しい」との認識がG20参加国・地域で共有されたことで、日本も7月の参院選を意識しながら景気対策を検討することになるだろう。5月の伊勢志摩サミットの前後で打ち出し、6~7月に日銀が追加金融緩和策に踏み切る、というシナリオも考えられる。これに伴って、円を売りにくくなるとのムードが徐々に浸透するだろう。

 米国経済の減速もやや織り込みすぎた感がある。連邦準備制度理事会(FRB)は6月と12月の年2回、利上げに踏み切るだろう。今年後半には日米の金利差などファンダメンタルズに目が向くようになり、これに伴って円を売りドルを買う動きが強まりそうだ。基本的には円安ドル高の大きな流れには変化はないという考え。12月末のドル・円のレートは120円を予想している

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