BPSの推移に映し出される「日本株の底力」

だから“株価が上がる”というわけじゃないが…

岡村 友哉
トヨタ自動車のBPSは3年間で2000円あまりも膨らんだ(撮影:尾形文繁)

 世界同時リバーサルの波に乗って日本株もかなり水準修正が進んでいるが、なんといっても圧巻だったのは先週末11日だった。同日は3月限の先物・オプションのいわゆる「メジャーSQ(特別清算指数)」であり、東日本大震災から5年の日だった。

 需給イベントであるSQに関連する売買自体は、市場推計で日経平均株価型が1単位当たり約3.4万株の買い越し(140億円)だったようだ。ただ、前日の欧州中央銀行(ECB)理事会後のドラギ総裁の記者会見が波乱要因になって朝は安く、日経平均のSQ値も前日終値を265.40円下回る1万6586.95円だった。

 一方、同日終値1万6938.87円は、前日比で86.52円高。SQ値に対して352円も高く引けたのである。この日は市場参加者にとっても「特別な日」という想いが、朝安後に切り返した日本株の動きに表れるような1日だった。

 日経平均というのは先物の流動性が高いこともあって、先物のよくわからない需給要因で振り回される悪癖のある指数である。その先物の売買シェアの4割程度が1社のブローカー経由であり、「ある意味仕手株と変わらんやないか」的な突っ込みが入る指数でもある。

 だが、そんな指数も11日には底力を発揮した。2011年の3月11日以降、同月同日が平日で取引が行われたのは13年から今年までの計4回。同日の日経平均は13年が65円高、14年が103円高、15年が58円高、そして今年が86円高。すべての年で上げているのだ。日本株の底力を感じさせる現象である。

 これは神通力のような話だが、日本株の底力は間違いなくついている。最近でも“3月10日暴落説”とか生まれたりもするが、安易に奇をてらった安値論を展開するのも少々無理があることを市場も察知し始めているようだ。個人的にはアベノミクス肯定派ではまったくないが、1株当たり純資産(BPS)を「日本株の底力を測る物差し」と定義すれば、これはもうものすごいことになっている事実をおざなりにはできない。

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