株価絶好調、小野薬「オプジーボ」の薬価引き下げは本当か!

売れすぎ理由に厚労省が「後出しジャンケン」

大幅な薬価引き下げはメーカーの新薬開発意欲をそぐおそれも…(写真:cassis/PIXTA〈ピクスタ〉)

 株式市場で注目の小野薬品工業 (4528)の抗がん剤「オプジーボ」をめぐり、薬価引き下げ観測が台頭している。「薬価」は新薬、後発医薬品(ジェネリック)を問わず行政が発行する「官報」に掲載されるもので、1銭たりとも値引きできない価格だ。

 3月4日発行の官報号外第50号によれば、「オプジーボ」の薬価は100ミリグラム1瓶で72万9849円。同薬は皮膚がん治療に用いられる抗PD-1抗体であり、すでに肺がんの過半を占める非小細胞肺がんでも承認を取得。同分野の売り上げも拡大中だ。

 医療の専門家は「オプジーボ」が本格的に肺がんなどに投与されれば市場規模は1兆7500億円になると試算。これは同社の2015年3月期売り上げの13倍近いレベルだ。株価は同薬の評価を背景にうなぎ登りで上昇し、前16年3月期予想ベースの株価収益率(PER)は100倍を超える。

 だが、行政にとって「オプジーボ」は深刻な問題だ。同薬が試算通りに拡大すれば、日本の薬剤費(8兆5000億円)の2割を占めることになる。このため、「行政側は『オプジーボ』の大幅な薬価引き下げを目論んでいる」との見方が一般的だ。

 引き下げには大義名分がある。医療財政が破綻しないためには引き下げが不可避であるうえ、患者の負担軽減にもつながるからだ。薬価決定は厚生労働省の専権事項である。

 実は、今回の薬価問題のきっかけは米国のギリアド・サイエンシズ社が開発したC型肝炎治療薬「ハーボニー」だった。昨年9月発売の同薬の薬価は1錠8万円。厚生労働省は発売後、半年程度で同薬の薬価を3割強下げると発表、1日から実施された。発売直後に薬価を下げられてしまうと当然のことながらメーカーは苦しい。まして、米国は「自由薬価の国」である。ギリアド社の経営陣や株主は怒り心頭だ。

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