実現したドラえもん「ひみつ道具」と意外な関連銘柄

あれから19年、74冊を読破した男の「深イイ話」ー(77)

渡部 清二
ヒト型ロボットだけで接客する時代はすでに実現。ペッパーが対応する都内の携帯電話ショップ(撮影:尾形文繁)

 前回のコラム「最新テクノロジーはなぜドラえもんを超えられないのか」の続きである。

 前回はマンガ「ドラえもん」に登場する「ひみつ道具」は約1300種類あること、それを筆者が450ページほどもある『ドラえもん、最新ひみつ道具大事典』を読破して検証してみたところ、ひみつ道具の実現化率はたった3%にすぎず、97%は最新のテクノロジーをもってしてもいまだ実現していないことをお伝えした。

 今回は逆にすでに実現したモノや技術、それらに関連する企業を考えてみたい。ひみつ道具は今でも世界の子どもたちに夢を与え続けている。97%が実現していないのなら、これからもひみつ道具の現実化に向けて多くの研究者や技術者に夢を与え続けるだろうし、夢を求める株式市場でも「テーマ」として相性がよいものだと感じている。

 テーマといえば、最近注目されているヒト型ロボットやドローンは、多くのひみつ道具を実現化したものといっていいだろう。ロボットの進化については、そもそもドラえもん自身がネコ型ロボットなので、ヒト型とネコ型の違いはあるものの、ドラえもん自体が現実のものに近づいていることを意味しているし、またドローンのように無人の機器を遠隔操作するツールもひみつ道具として多く存在するのだ。

 たとえばマンガに登場する「ヘリカメラ」というひみつ道具は「険しい山や深海、噴火口の中など人間が行けないようなところを映すカメラ」だが、これはドローンそのものであるし、「部屋の中でラジコンの潜水艦を操縦できる」ひみつ道具「ラジコン潜水艦セット」も現在の水中探査機そのものである。

 そこで「ラジコン潜水艦セット」は現実にどのようになったかを確認したい。遠隔操作で動く水中探査機はROV( Remotely operated vehicle)と呼ばれる。もともとは1960年代にアメリカ海軍により深海での救助や海底に沈んだものの回収を目的に開発され、その後大陸棚での油田・ガス開発に利用された。

 さらに80年代になると深海を調査できるものが開発され、85年9月、水深約4000メートルの海底でかの有名なタイタニック号を発見。のちに映画「タイタニック」は空前の大ヒットとなった。また戦後70年の節目の2015年3月には米マイクロソフトの共同創業者で大富豪のポール・アレン氏がフィリピン海の水深1000メートルの海底で日本の戦艦「武蔵」を発見したことは記憶に新しい。

ページトップ