和食文化を支えるのはシニア層のコメ消費だ

若者は意外にご飯を食べている…

秋屋 知則
(写真:Shila/PIXTA〈ピクスタ〉)

 日本のコメの1人当たり消費量は昭和40年代をピークにほぼ半減している。戦後の食糧不足の時期を経て食生活が豊かになり、多様化してきたからだ。確かに日本人の食におけるコメのウエイトは軽くなったが、「和食」はご飯におかず、一汁三菜を基本とする理想的な栄養バランスを備えたスタイルが評価されてユネスコの無形文化遺産に登録された。身近すぎるとよさを見落としがちだが、日本の伝統的な文化としてコメを食べることはうまく伝承したいと思う。

 コメ消費量の減少理由としてはパンやめん類の増加が挙げられる。夕食が常時パンという世帯はさすがに多くないが、忙しい朝にはパン食が好まれている。パンは比較的、手軽に食べることができるのに対して、コメは調理に手間や時間がかかる。

 しかし、逆にいえば、家で作って食べる機会が減る一方で定食にセットされたご飯やコンビニのおにぎり、持ち帰り弁当などコメの消費機会は増えるかもしれない。筆者のまわりの昼食のようすを見ていても、外食や中食でもコメは食べられており、単純に金額だけでコメからパンへ主食が交代したとは言い切れないだろう。

 少子高齢化の進展で食べ盛りの子どもの数が減り、コメの消費が落ちたとも指摘される。同時に高齢者が増加すると一般に食べる量が少ないのでコメの消費が落ちるうえ、最近は嗜好の変化も生じている。高齢者は従来、あっさりしたものを好むと言われてきたが、すでに洋食を始め油や乳製品を使った食事に慣れてきた世代へと変わり、食事が和食一辺倒ではなくなってきた。

 そうした中でコメの消費増を考えるとつい、若い人たち向けの対策をイメージするが、今後はいかに年齢の高い人たちの「コメ離れ」を防ぐかも意外と重要ではないか。

 若年層(20~30歳代、特に男性あるいは単身世帯)では2~3割が朝食をまったく摂らない、あるいはしっかり食べないというデータがある。農水省は“朝食欠食”の市場規模を約1.7兆円相当と試算。広義の外食の市場規模は約30兆円だ。若者が朝食にコメを食べるようになってくれれば、との願いも理解できる。

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