アキュセラ株急落劇の波紋(上)

一気に9割近く下落したのはなぜ?

 東証マザーズ上場のアキュセラ・インク (4589)株が市場関係者の注目を集めている。同社は眼疾患治療薬の開発を専門とするバイオベンチャー。5月26日の新薬臨床試験結果の公表前に株価が急落していたことで、市場にはさまざまな憶測が飛び交っている。

 ことの発端は4月19日に会社側が地図状萎縮を伴うドライ型加齢黄斑変性治療薬「エミクススタト塩酸塩」の臨床第2b/3相試験の最終被験者の来院を終えたと発表したことだ。以降、株価はモミ合いを経て5月後半から上昇の勢いが加速し、同月25日には上場来高値7700円を付けた。4月19日から見ると、株価は約1カ月で88.3%も値上がりしたことになる。

 ところが、翌26日の寄り付き前に、会社側が「主要評価項目を達成するには至らなかった」と発表したことで、失望売りを浴び制限値幅下限のストップ安水準まで値下がりした。問題はそこからである。臨床試験結果発表の前日25日後場(午後1時50分前後)に、それまで制限値幅上限のストップ高買い気配となっていた同社株は一転して売り物に押されストップ安となったのだ。

 25日午後の急落について、同月30日には一部で「日本証券取引所グループ自主規制法人がインサイダー取引の疑いがあるとして、27日までの調査を始めたようだ」と伝えられたことも売り材料視された。結局、25日から6営業日連続ストップ安。株価は6日間で上場来高値7700円から一気に約7分の1の水準である1190円まで急落した。6日には986円まで売られ、取引時間中では1月以来の1000円割れを記録した。

 今回の急騰場面では、東証マザーズ市場のアンジェス MG (4563)オンコセラピー・サイエンス (4564)などのバイオ関連株が4月後半に高値をつけた後、同関連株で資金を増やした向きが新たな材料の浮上したアキュセラ株に資金を向けたという背景がある。4月の東証マザーズのバイオ株相場では複数の関連株がにぎわったが、5月後半はほぼアキュセラ株だけに物色の矛先が向かった感がある。

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