「攻めのIT経営」16年版発表、注目株はエフピコと日本瓦斯

スケジュール=6/20の週の話題

古庄 英一
エフピコは知的障害者雇用の先進企業としても知られる(関東リサイクル工場の仕分け作業、紺色の帽子が障害者、2014年撮影:風間仁一郎)

 大揺れのマーケットで、先行きが見通せる堅実なお宝株を探り出すのは容易ではない。が、意外なところに潜んでいるものだ。経済産業省が東京証券取引所と共同で選出し、6月9日に発表した「攻めのIT経営銘柄2016」から2銘柄を見つけた。食品スーパーで陳列されるトレーのエフピコ(7947)と関東地盤にLPガスと都市ガスを直販する日本瓦斯(8174)だ。

 選定は今年で2回目となるが、一覧リストに掲載された26銘柄と昨年の選定リスト18銘柄を見比べたら、12銘柄が2年連続での選出であった。6銘柄は今年は選出されず、新たに14銘柄が選出されていた。

 経産省は発表リリースの前文で、その狙いを「長期的な視点からの企業価値の向上を重視する投資家に魅力ある企業を紹介したい」と説明している。言わば当局が 戦略的な攻めのIT投資が実を結ぶと“お墨付き”を与えた銘柄ということだ。よって今年は選出から漏れたものの、1年前に選ばれた6銘柄も烙印を押されたわけではないだろう。

 選ばれた企業名は、CSR(企業の社会的責任)やIR(投資家向け広報)の人材が整った日本を代表するメーカーや総合商社、金融機関が大半を占めている。これらは「攻めのIT経営」に選出されたと言って、それが株価材料になるとは考えづらい。

 むしろ日本を代表する企業に混じって2年連続で選ばれたエフピコと初選出の日本瓦斯が株価材料となっているので、その選ばれた理由を「報告書」から探ってみた。

 エフピコは、全国12拠点の出荷センターで「音声ピッキングシステム」を開発し、展開したことで、単純作業に陥りがちな現場スタッフのモチベーション向上につながったこと。人手不足の深刻化に対応した産業用ロボットを試験導入し、包装工程の自動化を実現したこと。これらの成果で17年9月までに約80人の省人化効果を見込んでいる。

 日本瓦斯は、保安・検針・配送など現場作業から会計処理までをクラウドで一元管理する基幹システムを開発した。このおかげで現場で社員がデータを入力すれば作業が完結。65万世帯のデータがリアルタイムで本社管理部門が共有できる仕組みだ。11年3月期に本格導入されて以降、ITコストが30%、物流コストが60%低減されたという。

 その結果、LPガスの平均販売価格(16年4月時点)は全国平均より約25%、関東平均より約19%安価となった。5期連続で営業最高益を更新する原動力となった。

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エフピコ (7947) 日ガス (8174)

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