四季報夏号が注目する「越境EC」関連銘柄はこれだ!

インバウンドはもう古い

会社四季報オンライン編集部
インバウンドの風向きが変わり始めている。これを補おうとするのが越境ECだ(撮影:尾形文繁)

GMO TECH(6026)が22日の前場で一時700円ストップ高となる4500円をつけた。21日、インバウンド(訪日外国人観光客)および越境EC(電子商取引)向け広告マーケティングサービス「AsiAD(アジアド)by GMO」の提供を開始したと発表し、買い材料視された。中国、台湾、香港など中華圏をはじめとした東アジア、東南アジア主要国に向けたプロモーションを一貫してサポートする。

 越境ECとは、自国向けではなく、海外へ向けたインターネット通販事業を指す。訪日外国人急増でうまみを知った日本企業は、リピーター獲得を目指し商品を海外で販売する「越境EC」に本格的に取り組み始めている。

 背景にあるのはインバウンドの風向きが変わり始めていること。2015年の訪日外国人観光客は前年比47%増の1973万人。今年5月の訪日外国人数は前年同月比15.3%増の186万3600人となり、5月としては過去最高。増加傾向はなお続いているが、2月や3月までの30%台の伸び率に比べれば4月以降は10%台へと低下。加えて、中国人観光客による“爆買い”内容も変化し、時計や宝飾品といった高額商品の売れ行きには陰りが出始めている。

 これを補おうとするのが越境ECの動きであり、経済産業省によれば、2014年に中国人が日本から越境ECを通じて購入した商品の金額は合計で6000億円強に達した。同じ14年の中国人によるインバウンド消費は約4000億円。つまり、越境ECはすでにインバウンドを上回る規模になっている計算だ。同省の推計では18年には約2.3倍の1兆3943億円に達するという。

 『会社四季報』夏号で越境ECに関するコメントのある銘柄を検索したところ14銘柄がヒットした。はたしてこの動きはどう加速するか、今後の動きに注目しておく必要があるだろう。

コード 社名 四季報記事内容
2489 アドウェイズ 【強 化】インドに広告子会社設立。2~3年後のスマホ向け市場拡大見込み、顧客を開拓。中国向け広告や越境ECの活性化目指し、マーケティング支援サイトを新設。
2733 あらた 【P B】日用品軸に3年で約300品メドにPB開発強化し粗利改善狙う。越境EC参入、中国企業への日本製品卸が軸。転社発行、自己株取得や借入金返済等に充当。
3195 ジェネレーションP 【越境EC】15年11月に日系で初出店した中国・上海市政府運営モールに続き、アリババなどのサイトにも出店を検討。数年後の東証1部上場目標、それまでは無配継続。
3328 BEENOS 【営業増益】主力の越境eコマースは円高で輸入好調。ブランド品の買い取り販売も順調。投資事業は新規費用負担あるが下期売却益約7億円計上。会社計画営業益は慎重。配当据え置きも。17年9月期もeコマースやブランド品買い取り牽引、営業益拡大。
3415 TOKYOBASE 【挑 戦】東京・原宿店隣接地にリユース店出店。越境ECにも展開狙う。セレクトで30~40歳代ウィメンズ特化店を出店、新ブランド獲得の切り札としても活用図る。
3665 エニグモ 【越境EC】韓国関連会社を子会社化、国内の運営手法を展開し成長加速狙う。英語版バイマは出品方法を多様化し利便性向上。日本発の商品拡充狙い、提携など模索。
4751 サイバエージェント 【強 化】広告代理で米国や中国の海外6拠点開設。日系企業の海外出稿など越境案件狙う。動画配信は女性利用者獲得を加速。
6069 トレンダーズ 【提 携】越境ECアプリ『ボロミー』と提携。アウトバウンドマーケティングへの対応を開始。15年度の女性躍進貢献企業としてマザーズ初の『なでしこ銘柄』に選定。
6172 メタップス 【赤 字】ネット決済はEC事業者の新規顧客獲得が着実。アプリ収益化支援は、アジア圏の越境広告案件が伸長。ただ、テレビ広告の取り扱い増え粗利率低下。積極採用による人件費膨張も痛手。営業赤字。17年8月期はアプリ支援が海外中心に続伸。
6630 ヤーマン 【米 中】化粧品から開始した米国販売はショッピング専門局販路等も模索。中国向け越境ECは現地代理店とも拡販策練る。
7483 ドウシシャ 【E C】商品点数を増やし強化。越境ECも中国から本格化、東南アジアでの拡販も狙う。業務用のスチールラックに本腰、販売ルート開拓を強化。増配に意欲的。
8011 三陽商会 【見直し】2年目のマッキントッシュは、雑貨除くアパレルの中心価格帯を前年より1割引き下げ。越境ECで海外拡販目指す。
8202 ラオックス 【対 策】不採算事業撤退を断行、一方で柱の国内店舗や越境EC展開に注力。粗利率向上に向け化粧品や食品でメーカーとのPB開発強化。6月末基準日で株式10併合。
9041 近鉄グループHLD 【観光特急】南大阪線・吉野線に観光特急『青の交響曲』を9月投入、運休日にはイベント列車として活用も。物流は中国・重慶で越境輸入EC専門倉庫の運営を開始。

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