「離脱ドミノ」も警戒、英EU離脱ショックの4つの波及経路

株安・円高に一段の進行のおそれも

岡田 晃
CHIRO / PIXTA(ピクスタ)

 英国のEU(欧州連合)離脱ショックが広がっています。市場の動揺はやや収まりつつあるように見えますが、英国内の政治動向やEUとの離脱交渉の行方は不透明であり、先行きへの警戒感は一段と強まっています。

 それでは実際のところ、EU離脱は世界経済や日本経済にどの程度の影響をもたらすのでしょうか。これについては、多くの国際機関やシンクタンクが試算しています。まず英国への影響についてIMF(国際通貨基金)が国民投票の前に明らかにした試算によると、2018年でGDP(国内総生産)が残留した場合に比べて5.2%減少、19年に5.6%減少するとしています。

 OECD(経済協力開発機構)が今年4月にまとめた試算では、英国のGDPは20年までに3.3%、30年までに5.1%、最大で7.7%減少するとし、離脱による英国経済への打撃はかなり長期間にわたると見込んでいます。

 英国はリーマンショック後、G7の中ではカナダ、米国に次ぐ成長を維持しており、これまでのところドイツ、フランス、イタリアの欧州主要国より高めになっています。これがEU離脱ショックによって落ち込む可能性が高くなったわけです。

 IMF、OECDともに、影響は英国以外のEU加盟国にも及ぶとしており、
国民投票の結果を受けての世界的な株価急落はこうした試算が現実味を帯びてきたことを示しています。

日本への4つの波及経路

 日本へは、4つの経路で影響が及んできます。短期的には株価下落と円高による影響が最も大きく、これはすでに現実のものとなってしまいました。今週に入って株価下落と円高進行には一応歯止めがかかったように見えますが、今後の展開によっては株安・円高が一段と進行するおそれは十分にあります。EUとの離脱交渉の見通しはまったく立っておらず、株安・円高は中期的にも続く可能性があります。

ページトップ