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規模は10兆円超、今回の経済対策は過去と何が違うのか

消費増税延期と合わせ技で効果拡大

岡田 晃
安倍政権下で5回目の経済対策策定へ(撮影:尾形文繁)

 10日に行われた参院選は事前の予想どおり自民・公明の与党が圧勝し、翌11日に安倍首相は大型の経済対策を策定する方針を表明しました。経済対策の規模は10兆円超となる見込みです。首相は8月上旬に内閣改造・自民党役員人事を行う意向で、そのころまでに経済対策をまとめ、その裏付けとなる補正予算案を9月の臨時国会に提出する考えです。

 安倍政権による経済対策策定と補正予算編成は今回で5回目となりますが、これまでの4回とは意味合いが異なります。

 同政権発足直後の2013年1月には事業規模20兆円に上る緊急経済対策をまとめ、そのうちの国費分10.2兆円の補正予算を編成しました。これはアベノミクスのスタートダッシュを切るものとなり、黒田日銀による金融緩和(同年4月)と合わせ、大きな効果を上げました。

 2回目の経済対策は13年12月に策定されました。事業規模は18兆円あまりで、そのうち国費分の5.5兆円が補正予算として編成されました。この経済対策は、それに先立つ同年10月に消費税の8%への引き上げ(14年4月実施)を決めたのに伴う景気の落ち込みを防ぐ狙いでした。これがなければ、消費増税後の景気の落ち込みはもっと大きなものになっていたかもしれないという意味で効果はありましたが、消費増税後の消費低迷が続いたのは周知のとおりです。

 3回目の14年12月は、消費税の10%への引き上げ延期を決定した直後だったこともあって、総事業費3.5兆円、補正予算も3.1兆円と規模が抑えられたものでした。4回目の15年12月も補正予算の規模は3.3兆円と抑えぎみでした。

 こうしてみると、今回も消費増税の再延期を決めた直後ですから、その効果を考えれば、「それほど大規模な景気対策は必要なかった」との解釈も可能です。しかし、今年の早い時期から追加の景気対策をめぐる考えが浮上。当初は5兆円程度の規模と言われていましたが、そのうち5兆~10兆円程度と報じられるようになり、さらに、英国の欧州連合(EU)離脱という新たな波乱要因への対応も迫られることで、「10兆円超」が既定路線となっているようです。

 しかも今回は消費増税延期による効果もあるので、その合わせ技でかなりの景気刺激効果が期待できそうです。ちなみに、消費税2%分の増税延期は税収として年間4兆~4.5兆円程度の減収となりますが、この分の国民負担増がなくなったわけですから、経済対策の10兆円超と消費増税延期の効果を合わせれば、実質的には15兆円程度の経済対策と言ってもいいかもしれません。

東洋経済から絶好調企業を先取り

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