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痛み止めから認知症まで! 経皮吸収の新薬開発するメドレックス(上)

3つの基盤技術に強み

小長 洋子

 皮膚は、外界の環境から体を守るバリアだ。そのため、皮膚から何かを吸収させることは、一般に考えられているよりはるかに難しい。皮膚の一番外側にある表皮は厚さ0.2ミリメートル。その最上層には細胞膜が厚く丈夫な角層細胞がわずか0.02ミリメートルの厚さに重なり合っている。それを水分と脂質で構成される細胞間脂質がつないで、外部からの刺激や異物の侵入や、体内の水分の蒸散を防いでいる。

メドレックスのロゴ

 入浴後など、皮膚が水を吸ってしわしわになる経験から、皮膚からの吸収が旺盛と考える人は多いだろう。だが、実は角層の細胞のすき間を埋めている細胞間脂質に水が入り込んでいるだけで、しばらくすれば蒸発して元に戻る。水分が体内に取り込まれているわけではない。

 皮膚を通して薬剤を体に浸透させる方法が、医薬品として研究され始めたのは1970年代、米国でのことだ。81年にはアルザ社(現ジョンソン・エンド・ジョンソン傘下)がニトログリセリンの経皮吸収剤の開発に成功した。

 一方、日本では、1974年、消炎鎮痛剤のパップ剤(水分を含んだ貼り薬)が帝國製薬(非上場)から医家向け医薬品として発売された。従来からあった貼り薬は泥状の薬剤を布に塗って患部に貼るもので手間のかかるものだったが、あらかじめ布に薬剤を塗布し製剤化したのはこれが世界初。開発したのは当時、30歳そこそこの松村眞良氏。メドレックス(4586)の創業社長だ。

パップ剤開発で先駆

メドレックス創業者の松村眞良社長(撮影:梅谷秀司)

 松村氏はこの開発の功績などによって、28歳で帝國製薬の取締役に就任、2年後には常務に昇格。その後も温感湿布やインドメタシンなど同社の消炎鎮痛パップ剤開発担当を務め、帝國製薬のパップ剤製造世界一への成長に大きく貢献した。その後、再建を託された子会社の社長などを経て2000年から同社副社長を務めるが、02年、57歳のときに一念発起し、自ら会社を立ち上げた。

 メドレックス設立当初は経皮製剤に限らず、幅広い医薬品で中堅製薬会社と組み、既存医薬品の剤形改良などを行っていた。が、1件当たりの規模はそれほど大きくならないうえ提携先の新薬開発の意欲がそれほど高くなく、開発者タイプの松村氏にとってあまり面白いビジネスではなかったようだ。

 07年には大きく方針を転換し、自分たちだけで新薬開発を目指すことになる。それに先立つ05年には自社開発の褥創治療剤「ヨードコート軟膏」を販売開始しており、経皮医薬品の基盤はできていた。古巣の帝國製薬が消炎鎮痛貼付剤「フレクター」で07年にFDAの承認を受けたことも発奮材料となった。

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メドレクス (4586)

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