日本株ファンドが少ない理由はなんと…

新規設定投信の大半は海外へ投資

鈴木 雅光
(写真:天空のジュピター/PIXTA〈ピクスタ〉)

 8月に新規設定される公募型投資信託を列挙した(下表)。ざっと一覧してわかるのは、国内マーケットを投資対象にした投信が非常に少ないことだろう。ファンド名を見ると、「外国株」「外国債券」「米国REIT」「世界」「先進国」といった単語が並ぶ。

 もちろん、「世界」や「先進国」という冠がファンド名に付いている投信だと、ポートフォリオの一部に日本の株式や債券が組み入れられることも考えられるが、純粋に日本のマーケットのみで運用されている投信は、上表では岡三アセットマネジメントの「日本株テーマセレクション」と、日興アセットマネジメントの「セキュリティ関連日本株ファンド」しかない。

 そもそも投信は長期の資産形成を目的にした金融商品なので、その投資対象は長期的な成長が期待できる、もしくは安定したキャッシュフローの獲得が期待できるものになる。つまり、日本株を投資対象にした投信の新規設定がほとんど行われていないのは、少なくとも運用業界では現時点で日本の株式市場に対する成長期待がほとんどないからともいえる。

 各月の設定額から解約額と償還額を差し引いた資金の増減額を見ると、株式型では右表のように推移している。

 この半年間の資金流入額は、3兆5438億1600万円。ちなみに、日銀によるETFの買い入れ額は、7月28、29日に行われた日銀金融政策決定会合で6.6兆円に倍増。それ以前は3.3兆円だった。

 それよりも大きな額の資金が投信に入っているのだから、さぞかし日本の株価にインパクトを及ぼすはずと思いたいところだが、残念ながら、現状のように新規設定される投信の大半が海外市場に投資するものであるかぎり、投資資金は海外に流出してしまう。その結果、日本の株式市場や債券市場に及ぼす影響は極めて限定的なものにならざるをえない。

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