日銀会合まで1カ月、株安で高利回りの銀行株は狙い目か?

スケジュール=8/22の週の話題

古庄 英一
割安に放置された銀行株に転機が訪れるとの観測が広がっている(撮影:尾形文繁)

 株価低迷のあおりで高水準の予想配当利回りが続く銀行株。はたして足元は狙い目なのだろうか。銀行株低迷の要因の一つであるマイナス金利政策の見直し論が物議を醸しているので、8月15日時点のデータをもとにこの問題にスポットを当ててみた。

 日銀は1カ月後の9月20、21日の政策決定会合の場で「量的緩和策」を総括的に検証すると予告。7月29日に開かれた会見で黒田東彦総裁は「金融機関の収益にどのような影響が出ているかも含め検証する」と述べた。その後、市場関係者の間では、検証結果次第では銀行界が抵抗するマイナス政策の深堀りをあきらめ、マイナス金利政策自体を見直すとの観測が急浮上した。

 黒田総裁が「収益への影響」に言及するのは、銀行の第1四半期(4~6月期)決算がマイナス金利の影響で軒並み最終赤字か大幅減益という散々な内容だったこととも深くかかわっているのだろう。

 決算内容を見ると、貸し出し利ザヤ縮小を招いて本業の稼ぎが悪化している現状が浮き彫りとなった。日銀は設備投資や住宅購入などに充てる資金需要が増えることを期待しているが、そうしたボリューム効果は出ていない。むしろ各金融機関やノンバンクが低水準の優遇金利を提示し合って顧客を奪い合う“消耗戦”に陥っている感は否めない。

 ただし、今期第1四半期決算を見ると、大手金融グループの最終赤字額は、通期で挽回できないほど大幅ではなかった。これは保有する国債価格が上昇(金利は低下)したので益出しをしたことが大きい。

 もっとも市場関係者は、国債売却益に頼るのはルール上も限界ありと指摘しており、この先本業の赤字を埋め合わせる手段としては限界がある。そこで考えられるのが、今期の業績予想に織り込んでいない持ち合い株の解消売りによる益出しだ。

 ただ実際に株売却益を計上させるには、全体相場が低迷を抜け出すことが求められる。銀行株が低迷しているから全体相場が一向に浮上しないとの理屈も成り立つため、日銀が次回決定会合で銀行株を好反発させる政策を打ち出せば、株価対策としては効果的と言えなくもない。

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