「魔の月」の10月を控えて投資家がやっておくべきこと

「利上げに前のめり」のFRBの真意

瀬川 剛
米ウォール街が「ブラックマンデー」に見舞われたのも1987年の10月だった…(写真:ひら/PIXTA〈ピクスタ〉)

 6日に発表された8月のISM非製造業景況感指数は51.4と前月の55.5から大幅な落ち込みを記録した。小幅の低下(54.9)を見込んでいた市場にとっては幾分のネガティブサプライズになったようで、早期利上げ観測の後退を背景にドルが売られる一方、米国株は「適温相場が続く」と受け止めて上昇した。

 「米連邦準備制度理事会(FRB)は9月にも利上げに動くかもしれない」との見方が広がったのは8月26日、ジャクソンホールで開かれていたシンポジウムでイエレンFRB議長が「追加利上げの条件が整った」と講演で述べたためとされているが、市場へのインパクトがより強かったのは会合後のテレビ番組でのフィッシャー副議長の発言だ。「9月あるいは年内2回の利上げを見込むべきか」との問いに対して「その二つの質問にイエスと答えるのが整合的だ」と話したことだった。

 この会合前の同月21日、同副議長の講演の予定稿には「雇用、物価は目標に近づいている」との記述があった。7月以降、FRBのメンバーでもある他の地区連銀総裁の多くからもタカ派的な発言が相次いだが、現状ではフィッシャー副議長が最も先鋭であるような印象を受ける。実際、翌週30日には「完全雇用に極めて近い」との認識も示した。

 議長にしても副議長にしても発言の際には「データ次第」との表現を忘れない。その「データ」を見ると、今月1日に発表された8月のISM製造業景況感指数、同新車販売はともに芳しい数字でなく、翌2日に発表された雇用統計も今一つの内容だった。それに追い打ちをかけたような格好となったのが、冒頭のISM非製造業景況感指数である。

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