10月の注目IPO、JR九州はただの「配当狙いの大型株」ではない!

BB期間終了迫る

西堀 敬
JR九州のクルーズトレイン「ななつ星」(撮影:梅谷秀司)

 2016年、9月末まで54社がIPO(新規上場)したが、初値のパフォーマンスは、初値と公開価格を比較すると、44勝9敗1分で勝率は81%、初値騰落率は54銘柄の平均で69%となっている。このペースで行くと、2016年のIPO数は前年の92社を割り込むことになりそうだ。一方、IPO銘柄の初値騰落率は少しずつ上昇しており、大型株から小型株へ、そして需給のよいIPO銘柄に資金が流れ込む動きが強くなってきているようだ。

 10月のIPOは6社が予定されており、10月12日時点までに上場した2社を除くと、この先に4社が上場してくる。その中でも、国民的認知がある九州旅客鉄道(9142、以下JR九州)を今回は取り上げてみることにした。

4番煎じ?のJR九州

 正直なところ、JRはすでに、東日本旅客鉄道(9020)西日本旅客鉄道(9021)東海旅客鉄道(9022)が上場しており、九州は4番煎じ的なイメージもある。財政難の政府の台所を少しでも楽にするために国が保有していた株式を国民に移転する、「国策IPO」と言っても過言ではないように思われる。 

 投資家が気になる初値はどうだろうか。「国策IPO」という言葉で皆さんが最初に思い出すのは、昨年11月にIPOした郵政3社だろう。

 昨年の今ごろは市場環境もよくて、東証1部の売買代金も日々2兆円以上あった。そんな中でIPOした郵政3社の上場直後の値動きはマザーズ銘柄を思わせるような軽い値動きで、初値が付いた瞬間から買い上げられていった。

 だが、今回のJR九州の初値形成については郵政祭りのような値動きは期待しないほうがいいだろう。官製相場ともいわれて、これだけ売買代金が低迷している中では、過去の市場環境が悪い時にIPOしたJR2社の初値を参考にしておいたほうがいい。

 国策IPOであるが故に初値が公開価格を割るようなことになってはいけないという国の意向を背景にすれば、JR西日本とJR東海の2社の初値騰落率が参考になりそうだ(下表参照)。つまり、大儲けはできないものの、損はしない程度で初値が寄り付くと考えられる。

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JR九州 (9142)

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