JR九州、初値奪回ならマザーズ市場が活性化する!?

3100円超えまであと一歩

岡村 友哉
「ななつ星」笑顔いっぱいにJR九州株の高値ブレイクを期待!?(撮影:梅谷秀司)

 先週の10月25日、東証1部に上場した九州旅客鉄道(JR九州、9142)。あれから1週間が経過したが、株価は驚くほどの粘りを見せている。上場来高値(3120円)は今のところ上場初日(しかも初値形成の1分後)に付けた状態。いわゆる初値天井だが、その高値も目の前である(10月31日終値は3090円)。上場1週間の売買から、JR九州を需給の側面だけで考察してみたい。

 まず、JR九州の発行済み株数は1億6000万株だ。今回の公開株数はすべて売出株。政府保有株はすべて放出されており、上場に伴い完全民営化することになった。その1億6000万株が事前に個人投資家や機関投資家に配分されていたため、上場以降に売ることのできる株数(浮動株)も1億6000万株ということになる。

 初値は公開価格2600円を上回る3100円だった。前日のDZHフィナンシャルリサーチやフィスコによる初値予想とほぼ同水準で、想像以上に高い初値になった印象はないといえる。つまり、「思ったより高い初値が付きそうだから初値で売った」という公募組(IPO株が当選した人のこと)はさほど多くないのではないか。そうした状況下で、初値が3100円で全株一致した際の出来高を確認してみたい。

 初値で買いたい人、初値で売りたい人の注文が一致したところで初値が付く。この時点で出てくる売り注文は公募で入手した投資家の売りである。JR九州の場合、初値形成時の出来高は2786万9100株だった。これは、公開株数1億6000万株の「17.4%」の水準だ。公募組の持ち株の17%が上場と同時に手放されたわけだが、これが多いのか少ないのかはわかりづらいかもしれない。直近の大型IPO(新規株式公開)事例と比べてみたい。

 今年7月に上場したLINE (3938)。こちらは公開株数3500万株に対して、初値形成時の出来高は579万7200株だった。つまり、初値売却率は「16.6%」。昨年11月に上場した日本郵政 (6178)は、公開株数4億9500万株に対して初値形成時の出来高は3491万4700株だった。初値売却率は「7.1%」。この2社と比べると、JR九州は初値で売った人が比較的多かったことがわかる。

 JR九州を表現するとき、「配当利回りが魅力」あるいは「株主優待が魅力」といった側面が指摘されていた。どちらかといえば、「長期保有目的の公募組が多い」という感じの評だったが、実際はそうでもなかったようだ。これは当然である。「優待が欲しい」「配当がもらいたい」といった動機であれば、もっと後に買えば済む話であるからだ。

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