英国民投票の教訓、投資家は米大統領選にどう備えるべきか

事前の織りこみ次第

清水 洋介
ホワイトハウスの次の主はどちらになるのか Tony / PIXTA(ピクスタ)

 先週の日本株式市場は再度1万7000円水準を割り込み、結果として保ち合いを抜けなかった。そして、週明けの日本市場は、米国大統領候補であるクリントン氏について、「メール問題で訴追を求めない」旨を米連邦捜査局(FBI)長官がコメントしたということで、買い戻しが入り大きく反発して始まった。が、まだ、クリントン候補が大統領になったわけではなく、懸念材料が一つ減ったに過ぎない。

 先週は米国の経済指標発表や、日本の決算発表の本格化、そして日銀の金融政策決定会合があった。米国の経済指標は好調なものが多く、日本企業の決算動向も想定された範囲での動きだった。ただ、日銀の追加緩和がなかったことで買い戻し一巡となり、ちょうど節目とみられる水準で上値が重かったので、週末にかけて日米株価は大きく下落、調整となった感じである。

 日銀の追加緩和はもともと予想されていなかったが、「万が一追加緩和があった場合」を考えての買い戻しがあった一方、米大統領選挙を前に手仕舞い売りを急ぐことになったのだろう。いつもであれば大きく取りざたされる雇用統計も、特に何もなかったかのように通過した。ほぼ予想された通りで、利上げが近いということもあって、いったんリスク回避の動きになった面もあるのだろう。

何も変わらない

 先週は米大統領選挙後の「不透明感」が懸念されて売られたが、確かにトランプ候補が大統領となると「何をするかわからない」というリスクがあるのだろう。ただ、クリントン候補が大統領になったからといって、「何ができるかわからない」のは同じだ。「不透明」という意味では変わりはない。

 日本でも民主党が政権を取った時に「何か変わるかもしれない」という希望から始まり、「何もできない」という失望に変わった。それが自民党が政権復帰となった時に「景気浮揚のためなら何でもやる」という雰囲気になって期待が強まったことで、株価は上昇した。そういった意味では今回の米大統領選挙では期待が大きければ失望され、期待していなければ失望もされないということになるのではないかと思う。

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