銀行株をこれ以上買う理由は見当たらない

米資産運用会社の日本株担当者に聞く

松崎 泰弘
大王製紙は「製紙会社」というマーケットでの位置付けが変わるかもしれない…
17日の日本株相場は伸び悩み。日経平均株価は小幅ながら続伸したものの、米大統領選以降の戻り相場の牽引役だったメガバンク株が反落するなど、上げ一服感が漂う。市場関係者は最近の値動きや今後の展開をどう見ているのか。米資産運用会社T.ロウ・プライスの日本株式運用戦略ポートフォリオ・マネジャーのアーシバルド・シガネール氏が四季報オンラインなどの取材に応じた。主な質疑応答は以下の通り。

ーー日本の上場企業の姿勢をどう見ていますか。

 日本の株式市場は欧米のマーケットに少しずつ似てきた感がある。全体の3割以上の日本株を保有する海外の運用会社の及ぼす影響が強くなってきたためだ。日本の企業は以前に比べると、株主の声を聞くようになった。

 グローバルなレベルでの競争が激しさを増す中で、日本企業が変革に取り組んでいるのも似てきた点といえる。20年ほど前のドイツでも同じような状況があった。独企業も30年前には株主の言うことに聞く耳を持たなかったが、それ以後の10年間でガバナンスへの意識が高まり、株主に対するリターンもよくなった。

 日本の企業も徐々に欧米のスタンダードへ近づいている。今年に入って株主資本利益率(ROE)は8%に達し、欧州企業を上回った。株主還元でも自己株買いや増配などの動きが活発化している。たとえ今後、国内景気が減速してもそうした傾向は変わらないだろう。

 ーー最近の日本株相場に対する見方は。

 世界経済は減速ぎみ。夏場にはいったん回復したが、iPhoneの影響が大きかった。短期的な要因で一時的に上向いたにすぎない。特に米国経済をめぐっては減速感が強まっている。年明けには景気が悪化してもおかしくはない。

 一方、日本経済は意外に堅調。円高に振れてもさほど減速感はない。それでも、世界景気の伸びが鈍れば、日本への影響は避けられない。それを踏まえると、日本、米国両国の株式市場とも水準は高めだ。目先は調整もありえる。もっとも、バリュエーションは平均のレベル。ここから大幅に下押すことはないだろう。

 向こう3年というスパンでみれば、日本株は上昇する確率が高い。利益が改善し、企業の株主還元の姿勢も一段と前向きになるとみているからだ。

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