成績堅調だと強制的に運用打ち切りの投信!?

新規設定ファンドのトレンド

鈴木 雅光
(写真:xiangtao/PIXTA〈ピクスタ〉)

 年内に新規設定される投資信託は全部で25本だ(24日時点)。このうち、日本株を組み入れて運用するのが4本。それ以外は海外株式、海外債券を組み入れて運用するタイプである。今回は年末までに新規設定される投信から、注目される四つのトレンドについて解説したい。

テーマ型ファンドは買わなくてもいい

 テーマ型ファンドは「IT」「ヘルスケア」「環境」など特定の投資テーマに合った銘柄でポートフォリオを構築し運用する投信だ。12月末までに新規設定される投信では、「AI(人工知能)」「フィンテック」「医療機器」をテーマにしたファンドが名を連ねている。EY総合研究所によると、AIの市場規模は2030年に86兆9600億円になるという。規模が大きくなれば、それだけ関連企業のビジネスも大きく伸びるわけで、株価にもポジティブな影響を及ぼすだろう。

 フィンテックは金融と、AI、ビッグデータなどのテクノロジーを組み合わせたもので、今後も新しい金融業態が続々登場しそうだ。高齢化が一段と進展すれば医療サービスへの需要が伸び、これに伴って医療機器も注目されるに違いない。いずれも長期的なテーマだが、実体経済と株式市場ではテーマの「寿命」が大きく異なる。たとえば、AIは40年以上にわたって研究されてきたテーマだが、株式市場でAIが投資テーマとして注目されているのはここ1年くらいの話だ。

 株式市場における投資テーマは非常に遷ろいやすく、次々と新鮮味のあるテーマが浮上して、それに関連する株式が値上がり。ブームが一段落すると、株価は下落する。ということは、テーマ型ファンドには、当該テーマのブームが終わったところで組み入れ銘柄の株価が下落し、基準価額が短期間のうちに低迷してしまうリスクがある。正直なところ、個別銘柄投資をしている投資家はあえてテーマ型ファンドを買う必要はない。

知っておきたいハイブリット証券のリスク

 最近、新規設定される投信の名称でよく見受けるのが「ハイブリッド証券」という言葉だ。文字通り、ハイブリッド証券を組み入れて運用するもの。では、そもそも「ハイブリッド証券」とは何か。

 ハイブリッド証券は劣後債、永久債、優先出資証券、優先株などのことで簡単に言うと、債券と株式の中間的な性質を持った有価証券だ。永久債は償還日が設けられていない債券のこと。それを発行した企業は、調達した資金を返済せずに済む。株式発行で調達した資金と同様、自己資本に組み入れることが可能だが、あくまでも負債なので1株当たりの価値を希薄化しないメリットがある。

 利回りも総じて普通社債に比べ高め。それゆえ、永久債をファンドに組み入れることで高いクーポン収入を確保し、収益分配金の水準を押し上げることができる。ただ、ハイブリッド証券は債券の一種であるように見えるものの、価格変動リスクは株式とほぼ同じだ。劣後債、永久債、優先出資証券、優先株といった投資対象の名称にだまされないようにしたい。

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