「そろそろ急落があるかも」と身構える個人投資家

信用売り残は漸増

岡村 友哉
6月に行われたブレグジット(英国のEU離脱)の是非を問う国民投票の結果をめぐって株式相場は大きく揺れ動いた(撮影:今井康一)

 11月9日(米大統領選挙の開票日)の日経平均株価の安値は1万6111円。あれから1カ月が経過した先週末12月9日の高値は1万9042円。「まだ上があったのか」とばかりに、今週12日には一時、1万9280円を付けた。1カ月で3000円上がった日経平均。

 外国為替市場のドル・円相場も11月9日のドルの安値1ドル=101円10銭台からわずか1カ月程度で14円強も円安ドル高に振れた。スピード違反に見える上げに対して、「そろそろ調整あるかも」と心配する声もあちこちから聞かれるが、「余計なお世話」と言わんばかりの上昇相場である。

 ただ、筆者は毎日のように心の中で思っている。「だって日経平均だから。心配するのは当然だろう」と……。株価は「経済を映す鏡」とか言われるが、今の日本の経済に対して、良くなっているという感覚を持つ日本人は多くないだろう。その感覚と乖離して上がっている日経平均に対して、“信頼できない”と考えるのは当然である。

 さらにいえば、あの日経平均である。これまでどれほど、この感じにだまされたことやら……。上げるまでには時間がかかるが、いわゆる日柄整理は「ドミノ倒し」レベルのあっけなさである。「ジワジワ→ズドン」。この記憶だけは嫌というほど頭に焼き付いている投資家が多いはずだ。

急落時にはすさまじい力を伴う

 たとえば、日経平均先物の日中値幅のトップ10をチェックするとよくわかる。東証が注文の処理能力を高めた株式売買システム「アローヘッド」を導入した2010年以降では以下の通りだ。

 日経平均先物が日中取引の時間内で、上下に最も大きく動いたのは今年の6月24日だった。これはブレグジット(英国のEU離脱)決定当日で上下1570円幅。以下、のちに「バーナンキショック」と呼ばれた2013年5月23日、東日本大震災後の11年3月15日、今年11月9日の米大統領選開票日など、急落の引き金になる理由の存在する日が並ぶ。このランキングを見て気づいたと思うが、日経平均がすさまじく動くときの大半は「急落したとき」なのである。

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