「補正予算で結局バラまき」はいつまで続く?

景気と財政の二兎を追う

新見 未来
景気回復による税収増で財政赤字削減を目指す「二兎を追う」政策が来年度も続くのか…(撮影:尾形文繁)

 22日に2017年度予算が閣議決定される予定だ。個別には、すでに報道されているとおり、国際情勢の不安定さに対応した防衛費の増額や医療費抑制を狙った高額抗がん剤の薬価引き下げなどが見込まれ、そうした個別材料が蒸し返される可能性がある。ただ、株式市場全体への影響という点で注目すべきは、安倍政権が来年度も積極財政政策を維持するかどうかだ。

 安倍政権の財政運営は、金融・財政両面からの刺激策で景気を押し上げると同時に、景気回復による税収増で財政赤字削減を狙うという、いわば景気と財政の「二兎を追う政策」だ。財政赤字を減らすためには、歳出抑制や増税など緊縮財政政策が必要と考えるのが普通だが、安倍政権の姿勢はこうした考え方と一線を画す。

 では、この「二兎を追う政策」は本当に成功しているのか。国(一般会計)の歳出総額はリーマンショック前までは80兆~90兆円の範囲で推移していたが、同ショックに対応した景気対策で09年度には決算ベースの歳出が100兆円を超えた。

 通常ならリーマンショックによる景気後退(リセッション)が終わり、景気が回復すれば財政面での刺激策は弱められるとともに、歳出は減らされてもよかったはずだ。実際、当初予算の歳出総額は、10~13年度は90兆円台前半、14~16年度も90兆円台後半に抑制された(図1参照)。この間、当初予算の歳出が緩やかに増加していたのは、高齢化に伴い社会保障費が毎年約1兆円ずつ増えていったためだ。公共事業など裁量的歳出については、当初予算では抑制しようという姿勢が示されていた。

 だが、こうした当初予算段階での歳出抑制姿勢とはほとんど無関係に、当初予算成立後、毎年、補正予算が組まれた。景気対策などを名目に、むしろ、バラまきぎみに歳出が上積みされた。安倍政権の積極財政姿勢は当初予算の段階ではわかりにくいが、補正予算での追加という点にはっきり表れている。

 決算ベースでの歳出を見ると結局、リーマンショック後、歳出はずっと95兆~100兆円程度のまま、高水準で維持されていた。16年度も、災害復旧対策や景気対策で、すでに第1、2次と2度の補正予算が組まれている。16年度の歳出は当初予算では96.7兆円だったが、すでに100.0兆円に膨れ上がっている。

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