ユーザベース梅田、新野両社長「営業利益率30%目指す」

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佐久間 あすか
東京・恵比寿にあるユーザベースの本社
 10月21日に東証マザーズへ上場したユーザベース (3966)。設立は2008年。法人企業向けの経済・金融情報データベースを活用したサービス「SPEEDA(スピーダ)」と、個人向けの経済ニュース統合アプリ「NewsPicks(ニューズピックス)」の二つが事業の柱だ。
 「経済情報で世界を変える」をミッションに掲げ、「スピーダ」では、世界200カ国以上の企業の財務や株価データ、550を超える業界の地域別の分析レポートなどを提供する。契約単位であるIDは9月末時点で1451。
 一方、「ニューズピックス」は国内外90以上のメディアの経済ニュースを配信。ユーザー会員数は約175万人(うち有料会員は同2万6000人)を数える。
 今16年12月期は、売上高が前期比約59%増の30億4500万円、営業利益は2億3800万円(前期は赤字)を見込む。新野良介、梅田優祐両社長が共同経営者として舵取りを行う同社。新野氏には「スピーダ」、梅田氏には「ニューズピックス」の成長戦略などをそれぞれ聞いた。

「ビジネス情報版のグーグル」が目標

 ーー二人は外資系のUBS証券の投資銀行本部出身です。どのような思いで起業にいたったのでしょうか。

 梅田:投資銀行に勤めていてお互い毎日、統計データやニュース、大量のビジネス情報を集めて整理し加工して、資料作ってと、高速回転……。毎夜帰れないほど、ほとんどの時間、“情報の海”におぼれていた。

 グーグルのようなシンプルで誰でも簡単に使えるような情報インフラがビジネスの世界にもできれば、ビジネスパーソンの働き方が変わるのではないかと……。UBS時代にはパソコンに4、5つの分析用のソフトなどがインストールされており使っていたが、満足のいくものではなかった。だから、自分たちの本当に欲しいもの、理想のものを創りたいという思いだった。

ーー設立にあたってアメリカのブルームバーグなども意識していたのですか。

にいの・りょうすけ●2002年三井物産入社。その後、UBS証券で企業の財務戦略アドバイザー業務に従事。08年に梅田氏らとともに当社設立。

 新野:世界はブルームバーグとトムソンロイターが2強だが、まだまだ満たされていないニーズがあると思う。ブルームバーグの主力はトレーダーなど、株を売買する人たちだ。われわれはむしろアドバイザリー、事業会社なども見据えている。ブルームバーグ自体はしっかりしたプロダクトだが、それとは違う価値も社会で求められていると認識している。

 わざわざ大企業を飛び出して起業したのは、現場での効率の低さを目の当たりにして、この状況をテクノロジーの力で変えられるのではないかという思いからだった。

ーー法人を対象にした「スピーダ」が、売り上げの7割以上を占めています。

新野:「スピーダ」の強みは①誰でも使える使いやすさ、②ワンストップでデータがとれるサービス、③システムだけでなく、人がサービスしてくれるきめ細やかなサポート、の3点だ。16年を振り返ると、スピーダの事業で一番伸びたのが海外セグメントだった。海外の日系企業だけでなく、非日系企業もスピーダを買ってくれたことが大きい。

 ただ、収益についてはもっと早く伸ばせると考えており、今の結果には満足していない。今後の投資は2~3年にわたって、シンガポール、香港、上海などアジアでの事業基盤の確立中心に振り向けたい。米国へも「ニューズピックス」を中心に進出の準備を始めている。

 「スピーダ」に関しては16年のID数目標として1500を掲げている。毎年25~50%の率で、高成長を維持できるよう常に意識している。客層が広がりをみせているだけでなく、スピーダの単価自体も毎年上がっている。

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