「ロボット運用のプロ」が検証! 実は間違っていた”投資の常識”

ゴールデンクロスは本当に有効?

島 大輔
テクニカル分析を主体にしたプログラムトレーディングにより、日本で初めてのロボット運用による公募投資信託を商品化した早稲田情報技術研究所の加藤浩一代表。『ロボット運用のプロが分析してわかった 最強の株式投資法』(ダイヤモンド社刊)を著した加藤氏に、投資戦略を検証して今後の投資に生かすことの重要性を聞いた。

ーー著書の中で、過去の株価データを使って投資戦略を検証することの重要性を指摘しています。「ゴールデンクロスで買い」「損切りは早く、利は伸ばせ」といったよく知られた相場のアノマリーや投資戦略について、実際に検証してみると必ずしもパフォーマンスが良くなかったそうですね。

かとう・こういち●1990年代にマイクロソフト社にてWindowsの製品責任者を務める。03年に早稲田大学の基礎研究を事業化する応用研究所、早稲田情報技術研究所を設立し代表に就任。

 投資家はそれぞれ投資戦略を持っていて、「自分のやり方は正しい」と思いがちだ。また、投資関連の書籍では常識とされるような”必勝法”が紹介されている。しかし、それを無条件で信じるのか、一つの仮説として実際に検証してみるかで大きな違いが出てくる。

 ゴールデンクロスについて言えば、日経平均連動型ETFで5日と25日の移動平均線を使って「ゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売る」という投資戦略を01年12月末から16年6月末の期間で実際に検証してみた。その結果、累積損益がプラスになる期間はあったものの、マイナスになる期間もあり、つねにいいパフォーマンスとは言えなかった。

 同様に、日経平均連動型ETFで、「ゴールデンクロスで買って、10%上昇で利益確定、5%下落で損切り」という運用を検証してみると、資産は02年8月~16年6月の検証期間内ではほとんどマイナスのままだった。

ーー株主優待に関連した投資戦略の検証もしています。

 一般的に株主優待の充実した銘柄は権利落ち日の前に売るのがキャピタルゲインを得る定石とされている。そこで、優待銘柄として知られるカゴメ(2811、12月決算)について、11月18日に買い、権利落ち日をまたいだ翌年の9月16日に売るというトレードを毎年検証した。

 その結果、優待品を得られるだけでなく、キャピタルゲインも得やすかったという結果がでた。おそらくカゴメのファンで長期保有する個人株主が多いということだろうと推測している。

ーーチャートの見方についても、気をつけたほうがいい点があるそうですね。

 日本のチャートでは日足の移動平均線は5日線、25日線が初期設定になっていることが多く、投資家はこれを下値や上値のメドとして参考にしている。しかし、米国のロイターやヤフーファイナンス、グーグルファイナンスなどを見ると、それぞれ初期設定が異なっていて、5日線、25日線を採用しているところは見当たらない。

 つまり、海外投資家は日経平均を見る上で日本の投資家と違う移動平均線を見ていることになる。このような点でも、日本の相場の常識がつねに通じるとは限らないということは、意識しておいたほうがいい。

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カゴメ (2811)

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