バイオベンチャー株投資、究極のリスク回避ワザ!?

UMNファーマ問題に学ぶ

開発中のインフルエンザワクチンをめぐるPMDAの「審査継続できない」との判断は「寝耳に水」だったのだろうか…(写真:今 祥雄)

 「リスクのないところにはリターンもない」。相場の鉄則の一つである。低リスクで大きなリターンを得ることが投資の究極的な目標だが、リスク回避ばかりでは見返りも期待できないのが世の常だ。

 ただし、収益基盤の安定していないバイオベンチャーなどへの投資ではリスクが相対的に大きくなる。ベンチャー企業のビジネスモデルは老舗企業に比べればもともと脆弱であり、ユーグレナ (2931)CYBERDYNE (7779)が「売り」専門のリサーチ会社の標的にされたのは、その代表的なケースとも言える。

 ワクチン開発で先行してきたUMNファーマ (4585)にもリスクが浮上。UMNはアンメット・メディカル・ニーズ(Unmet Medical Needs、医療上の必要性、未充足の医療分野の需要)の略であり、医療における究極のテーマを社名に掲げて創業したが、現在は苦境に置かれている。報道によれば、開発中のインフルエンザワクチンに対し、医薬品医療機器総合機構(PMDA)は「臨床的意義がきわめて乏しく、審査の継続はできない」との見解を示した。同社のショックは大きい。

 同報道をきっかけに連続ストップ安となり、株価は一気に半値となった。ワクチンは治療薬に比べて相対的に低リスクというのが定説。しかもUMNファーマの技術は米国のプロテイン・サイエンシズ・コーポレーション(PSC)社から導入したものであり、同ワクチンは米国市場で普及している。まさかの審査終了だった。

 UMNファーマのインフルエンザワクチンは鶏卵由来でないため卵アレルギー患者にとって福音と見られており、ワクチン不足解消の切り札としても期待されていた。生産時間が短くシーズン中の増産や流行ウイルスの種類を読み違えた場合でも対応できる可能性もあった。

 しかし、PMDAの決定を受けて提携先のアステラス製薬 (4503)はワクチンの開発中止を発表し、事実上の撤退を宣言。UMNファーマに対しては共同事業契約の解約権の行使を行う旨を通告している。

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