ジェネリック株総崩れの中、なぜ富士製薬だけ強いのか

大手はそろって下方修正

水落 隆博
ジェネリック医薬品が成長の転換点を迎えている(stpure / PIXTA<ピクスタ>)

 急成長を続けてきた後発医薬品(ジェネリック)メーカー各社が戦略の転換点を迎えている。

 医療費増加の抑制に貢献する後発品の市場は、政府の使用促進策を追い風として、これまで順調な拡大を続けてきた。2014年に調剤薬局向けに実施された「後発医薬品調剤体制加算」の見直しといったインセンティブ策が牽引役となり、2013年に4割半ばだったジェネリック医薬品の数量シェアは、足元では6割半ばにまで達したもようだ。

 ところが、この順調な市場拡大とは裏腹に、後発薬メーカーを取り巻く経営環境はここのところ厳しさを増している。

 そのきっかけとなったのが、政府が2015年6月に「骨太の方針2015」において、後発品の数量シェア目標を従来の「2017年度までに60%以上」から、「2017年央に70%以上とするとともに、2018年度から2020年度末までの間のなるべく早い時期に80%以上」と上方修正したことだ。

 医療費が膨張する中、経済財政諮問会議における当初の議論では、民間議員から「2017年度末に80%以上」といったさらに高い数値も飛び出した。新目標はそれよりは低めに落ち着いたものの、従来の努力の延長線上で達成できる水準の数値ではない。後発薬業界では、シェアが高く安定供給責任の重い大手を中心に、巨額の資金を投じて能力増強投資の前倒しを急がされている格好だ。

 が、現実は皮肉だ。将来に向けた能力増強とは裏腹に足元での販売数量は伸び悩んでいる。日医工(4541)沢井製薬(4555)東和薬品(4553)の専業大手3社は、昨年11月に2017年3月期中間決算を発表したが、販売数量が想定を下回るなどそろって通期業績予想を下方修正した。業界関係者からは、2014年の使用促進策と比較して、2016年4月からの医療機関、調剤薬局向けインセンティブは「インパクトが小さい」との声が上がる。

 後発薬メーカーの試練はそれだけではない。薬の公定価格である「薬価」にも“圧力”がかかろうとしている。

 薬価といえば、小野薬品工業が開発した免疫力を高める新しいがん治療薬「オプジーボ」の高額薬価が話題を呼んだ。肺がんの場合で1人当たり年間約3500万円となる薬価が注目され、次回2018年に予定される薬価改定を待たずして、2017年2月から50%引きという異例の緊急引き下げが決定した。

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