電線御三家に学ぶ“勁草”銘柄探し

三菱重工、東芝を「超」逆張り?

古庄 英一
大規模損失に揺れる東芝子会社のウエスチングハウス(WH)が原子炉を供給する米ジョージア州のボーグル原子力発電所(昨年6月撮影)

 今年も早1カ月が経過。「節分天井の彼岸底」のアノマリーに従うと相場は本格調整の時期に入ることになる。為替に関すると円安モードは一服し、「急激な円高モードが訪れてもおかしくない」と一部のエコノミストが警鐘を鳴らすなど“調整局面”に入った様子だ。

 今週末までの業績相場を振り返ると、本業の儲けである営業利益が想定より上振れた銘柄が上げ幅を広げて、そうではない銘柄は下げ足を強めたといった感がある。各業種分野の中で日立製作所(6501)東ソー(4042)三菱商事(8058)といった首位に君臨する銘柄が本業で強みを発揮して好反発を演じてみせた。一方、本業で首位との格差が大きい3番手以下の独立系メーカーは弱みを見せた。マツダ(7261)神戸製鋼所(5406)日本板硝子(5202)などだ。この傾向は今週も続くと見てよいだろう。

 来週は業界首位に君臨する銘柄が四半期決算を発表する。6日はトヨタ自動車(7203)三菱地所(8802)、7日は明治ホールディングス(2269)旭硝子(5201)ニチレイ(2871)、8日大成建設(1801)、9日は大和ハウス工業(1925)東レ(3402)、10日の太平洋セメント(5233)国際石油開発帝石(1605)などだ。

 中でも8日は富士重工業(7270)ソフトバンク(9984)も発表を予定しており、“業績相場”は佳境を迎える。ただ商いは盛り上がりを欠いたままで様子見ムードが漂う展開を予想する。というのは、今週末に日米首脳会談が予定されるからだ。単なる顔見せではない。両首脳がどういうやり取りをし、何が合意できて、何が懸案となるかなど逐一気になるからだ。すべての業種分野の経営方針に影響を及ぼす“歴史を変える”イベントとなるだけに余談を許さない。

 そんな歴史の節目を迎えたときにあえて物色の矛先を見定めるヒントは何なのか頭を巡らせた。筆者は足元で年初来高値を更新するなど株価に勢いがある「電線御三家」に学ぶべき点があると気づいた。

 御三家とは、古河電気工業(5801)住友電気工業(5802)フジクラ(5803)のことだ。新電力、IoT(モノのネット化)、人工知能(AI)、VR(仮想現実)、ロボットといったどの銘柄テーマを取り上げても必要不可欠な部材は高機能で高効率の電線ケーブルやフレキシブル基板だ。世界市場で光ファイバー敷設と老朽電線張り替えの好需要が続く。さらに車載部品のワイヤーハーネスが業績を牽引する。

 御三家の中でも古河電工には投資家が教訓とすべき大型M&Aの歴史がある。同社が米国ルーセントテクノロジーズ社の光ファイバー部門(OFS)を買収したのが16年前だった。当時の世界シェア2位に一躍躍り出ると注目が集まった。が、そのOFSがITバブル崩壊で巨額の減損損失を計上し、全社が大幅赤字に転落。10年前には、大型海外買収の大失敗事例とレッテルを貼られた。

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