読者の質問に回答! 知られざる「機関投資家のホンネ」

"負けない投資"の裏側

小松原 周
写真はイメージ NAN / PIXTA(ピクスタ)
 徹底した企業リサーチと業績予想をもとに、10年以上にわたって安定したパフォーマンスを継続する「負けない投資」を実践している大手資産運用会社ファンドマネジャーの小松原周さん。1月に四季報オンラインの会員の皆様から募集した機関投資家に関する質問に、ホンネで回答していただきました。(多数の質問をお寄せいただき、ありがとうございました。採用させていただいた質問は、一部簡略化し掲載いたしました)
 時価総額100億を超えると、機関投資家の投資対象になるような話を聞いた事がありますが、本当でしょうか? また、1日の売買代金が数十万、数百万しかなくても株価(時価総額)が安ければ、仕込む事はあるのでしょうか? (「埼玉賢人」さん)

 機関投資家のサイズにもよりますが、いわゆる大手機関投資家ですと時価総額100億円や、売買代金が数百万円の銘柄では小さすぎて投資対象にはなりません。株価が2倍になると見込めたとしても、自分自身の買いインパクトだけで2倍になってしまうので、リターンが得られなくなってしまいます。

 株価が3倍になると見込めたとしても、今度は売る時に株価が半分になってしまうので、やはり投資対象とはなりません。株価が5倍になると見込めたとしても、そのような企業価値の向上が見込まれる成長ストーリーというのは、よくよく調査してみると実現性の低いシナリオであることがほとんどです。

 機関投資家にとって、リスク・リターンのバランスは最も重要な項目のひとつです(数学的に厳密に管理していますし、お客様に細かいパラメーターまでお約束している場合がほとんどです)。また、機関投資家のファンドはお客様の都合でキャッシュ化しなくてはならないことがよくあるので、ポートフォリオの状態を崩さずにキャッシュ化することをいつも念頭に入れています。これらの観点から、低流動性銘柄はリスク・リターンのバランスが悪く、手掛けづらいと言えるでしょう。

 9月は機関投資家の決算期で株が売られるというのは実際に起こっているのでしょうか? 機関投資家の年間のスケジュールで個人投資家が注意しておいた方がいいことはありますか?(「三代目ブタザイル」さん)

 年金基金などの運用を委託されている大手機関投資家は、決算期を意識した売買というのはほとんどありません。決算期をもってして解約になるという慣習もありません。

 一方で、ヘッジファンドの場合は顧客の足が早く、決算期の集中する11月になると解約を通知されることは実際によくあります。ですので、ヘッジファンドが大きくポジションを持っているような銘柄は、突然の売り圧力には警戒をしておいたほうがよいかもしれません。

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