世紀の相場師リバモアが築いた「勝つためのルール」とは

相場読みに人生を賭けた男

エミン・ユルマズ
ポピュリズムの波は2017年も続くのか(英国のEU離脱を伝える現地の新聞)

 2016年はポピュリズムが躍進した年であった。英国国民投票や米国大統領選挙ではポピュリスト政治がエスタブリッシュメント側(体制側)に勝った。2017年も似たような年になると懸念する声があるが、個人的にそうならないと思う。

 今年の最も重要な政治イベントはフランスの大統領選挙である。極右政党国民戦線の党首であるルペン氏がドナルド・トランプ氏のように体制側の候補者に勝利し、大統領になるのではないかとの懸念がある。実はマーケットはすでにその可能性を織り込み始めている。

 確かに彼女の人気と支持率は拡大している。が、2回投票制を採用するフランスでは彼女が大統領になる可能性は極めて低い。米国の大統領選挙では総得票数で負けたトランプが選挙制度のおかげで大統領になったが、フランスでは逆に選挙制度のせいでルペン氏が勝つことができないのである。

 同じくオランダの総選挙やドイツの連邦議会選挙でもポピュリスト政治が負けると考えている。米国と違ってヨーロッパではヒトラーの恐怖はまだ生きている。ヨーロッパは極右思想やポピュリズムの拡大に非常に敏感であり、許容範囲は決して広くない。

世紀の相場師ジェシー・リバモア

 今月紹介する本はリチャード・スミッテン著『世紀の相場師ジェシー・リバモア (Jesse Livermore: World’s Greatest Stock Trader )』(角川書店)だ。

 リバモアは20世紀の前半に活躍した伝説のトレーダーである。先月のコラムでモメンタムトレーダーの本を紹介したが、リバモアはモーメンタムトレードの父のような存在である。

 実家の農作業が嫌いだったリバモアは14歳の時に母から借りた5ドルをにぎって家出した。得意の数学を生かして証券会社の支店でチョークボーイとして働き始めた。電子掲示板がなかった当時はティッカーマシーンから出て来る銘柄と株価をチョークボーイたちが一生懸命黒板に書き移し、客はその黒板を見て売買の注文を出していた。

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