歴代最高齢の米大統領就任で「高齢者」を考える

昼夜問わず精力的に「つぶやき」

近藤 智也
米国の偉大な4人の大統領は歴代最高齢の後継者誕生をどう見ているのだろうか…(写真:ゆうさく。/PIXTA〈ピクスタ〉)

 年明けに日本老年学会・日本老年医学会から、高齢者の定義を現在の65歳以上から新たに75歳以上へ引き上げようとの提言が発表された。それに伴って65~74歳を准高齢者(pre-old)、75~89歳を高齢者(old)、90歳以上を超高齢者(oldest-old、super-old)と呼ぶように提言している。

 政府の「2030年展望と改革タスクフォース」でも、高齢者の年齢区分を65歳から70歳へ変えることが議論された。ただ、この話は決して新しいものではない。

 経済財政諮問会議の下に設置された「選択する未来」委員会が14年5月にまとめた中間整理「未来への選択」でも、「70歳までを働く人(「新生産年齢人口」)と捉え直し、仕事や社会活動に参加する機会を充実させていく」と明記していた。平均寿命が長くなっていく過程で、高齢者の概念が時代とともに変化することに違和感はないと思われるが、70歳のハードルはなかなか高いようだ。

 内閣府の「平成26年度 高齢者の日常生活に関する意識調査結果」で、調査対象である60歳以上の意識を見ると、“高齢者とは何歳以上か”という質問に対して回答者の多くは70歳以上(29.1%)、次いで75歳以上(27.9%)を選択している。高齢者の定義変更は高齢者自身の認識とあまり乖離が見られないというわけだ。

 75~79歳の人については「75歳以上」、80~84歳の人は「80歳以上」をそれぞれ「高齢者」とする答えが最も多い。「自分と同じ世代か、それよりも年上が高齢者」ということなのだろう。過去15年間の変遷を見ても、徐々に上の年齢層にシフトしているが、「70歳以上から85歳以上」までを選んだ人の割合は全体の約8割と大きく変わらない。

 一方、“支えられるべき高齢者とは何歳以上か”という問いに対して、直近の調査では80歳以上と75歳以上で約半数を占めており、そこには「自らは元気である」という意識も垣間見える。社会保障財政の観点からも重要なのは、日常生活に支障のない健康寿命を延ばして平均寿命とのギャップを縮小させることだ。世界保健機関(WHO)によると、日本の健康寿命は74.9歳と世界で最高の水準。逆に先進7カ国(G7)で最も低いのが米国の69.1歳である。

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