中国景気下支え策継続ならば日本株に追い風

「全人代」はここに注目

新見 未来
中国の金融当局が利上げに踏み切るようだと、ピークアウトした感のある住宅価格を押し下げるシナリオも

 3月5日から10日にかけて中国の全国人民代表大会(全人代)が開催される。年1回開かれるもので、日本の国会に当たるが、中国では全人代が国家の最高権力機関であり、立法権が行政・司法権に優越する。約3000人の代表が人民大会堂に集まるが、うち7割が共産党員だ。李克強首相が政府の政治・経済の運営方針を示す「政府活動報告」や予算案・法改正の審議などが注目される。

 毎年11~12月ごろに中国共産党と国務院(日本の内閣府に相当)が中央経済工作会議を開いており、昨年12月の同会議で2017年のおおまかな経済政策運営方針がすでに固まっている。今年は中国共産党大会が5年ぶりに開催されて党の人事などを決めることから、同会議では経済・社会の「安定」を最優先する方針が示された。権力掌握を十分なものにしたい習近平総書記にとっては秋までの「安定」が非常に重要だ。

 具体的な政策運営については、積極財政政策が継続されることになり、財政面からの景気下支えが続く。中国の中央政府の財政赤字は16年予算でGDP比3.0%だが、17年は減税などで財政赤字幅が同3%以上へ拡大する見込みだ。

 半面、金融政策の運営方針については「穏健」から「穏健中立」へ変わり、一段の金融緩和に慎重な姿勢が示された。「やや行き過ぎた金融緩和が債務増大や住宅価格高騰などバブルにつながっている」との認識や、低金利による資金流出が人民元安などを招いていることへの配慮とみられる。

 構造改革に関しても債務圧縮や住宅バブル抑制などの必要性が強調された。中国では国有企業や地方政府などの債務の急速な増大がいつかバブル崩壊につながるのではないか、との不安が根強い。このため、今の中国には構造改革が不可欠。ただ、構造改革を重視しすぎれば、政策は自然と緊縮ぎみになる。そうなれば成長は鈍化し、短期的には株式市場にもマイナスだ。

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