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メキシコからの不法入国をめぐる「ウソ」

国境の壁建設でも「勘違い」

岡田 晃
米国・メキシコ国境(写真:animangel/PIXTA〈ピクスタ〉)

 米国のトランプ大統領が就任して2カ月が経ちました。就任当初に比べると過激な強硬路線一辺倒からやや軟化の兆しを見せているものもあります。それでも移民対策やテロ対策では依然として強硬な姿勢を崩しておらず、通商政策でも保護主義の基本方針に変化はないようです。このほど開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、声明文から「保護主義に対抗する」との文面を削除することを米国が強く主張して押し通してしまったことに、それはよく表れています。

 「メキシコとの国境に壁を建設する」との方針も、そうした強硬路線の代表例であることは周知のとおりです。トランプ政権はこのほど発表した2018会計年度(17年10月~18年9月)の予算方針に、メキシコ国境の壁建設費として26億ドルの要求を盛り込みました。17年度にすでに計上されている分と合わせると41億ドルになるということです。

 トランプ大統領は、「メキシコ国境の壁の建設費はあとでメキシコに払わせる」と言っていますが、メキシコがこれに応じる可能性は低いでしょう。ある試算によれば、壁の建設費は総額で200億ドルを超えるということで、相当な財政負担になる公算が大です。

 今回の予算方針によると、メキシコ国境の壁建設を含む国境対策を所管する国土安全省の予算は前年度比7%増としています。国防総省は10%増です。その半面、外交を司る国務省の予算は29%減、環境保護局は31%減などと大幅に削減しており、トランプ色を強く押し出した予算方針となっています。

 しかし、もう一方の目玉政策である減税などの税制改革は、今回の予算方針に含まれていません。トランプ大統領が2月上旬に「驚くべき改革案を近日中に出す」と発言して以来、1カ月半近く経つものの、具体策はいっこうに発表されません。こうした状態に市場もしびれを切らし始めたというのが、最近のムードでしょう。

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