米国の失業率は歴史的な低水準にある!

トランプは雇用増加を叫ぶが、すでにほぼ完全雇用の状況

岡田 晃
米国の雇用は着実に改善、今後は賃金の上昇が見込まれる(写真:パームツリー/PIXTA)

 米労働省が発表した3月の雇用統計では、失業率が4.5%と約10年ぶりの低水準となった一方、非農業部門雇用者数は前月比9万8000人増加と予想の半分にとどまりました。強弱入り混じった結果だったように見えますが、内容をよく分析すると米国の雇用改善は続いており、しかも歴史的なレベルに達していることが分かります。

 まず失業率です。今回の4.5%という数字は2007年5月の4.4%以来の低水準です。この時期はリーマンショックをさらに1年余りさかのぼり、サブプライム危機が起きる前の景気絶好調期です。当時、2006年から2007年にかけて失業率が最も低かった水準が4.4%でした。つまり失業率から見た雇用情勢は、その頃の景気のピーク時に近い水準まで改善していることを示しているのです。

 近年でこの水準を記録したのは、前述の2006~2007年のほか、1998~2001年のITブーム期だけです。あとは、米国の黄金時代と呼ばれる1960年代後半までさかのぼらなければ、この水準まで失業率が低下した時期はありませんでした。

 米国では失業率が5%を切る水準はほぼ完全雇用といわれています。完全雇用とは、非自発的理由による失業が存在しない状態のことです。トランプ大統領は雇用増加を叫んでいますが、その具体策が動き出す前に、すでに全体としては着実に雇用情勢は改善しているわけです。

 ただ、世の中にはフルタイムでの働き口が見つからず、やむを得ずパートタイマーとして働いている人も多くいます。職を得たものの希望通りの就業ではないわけで、これらの人なども広義の失業者とカウントして失業率を算出する「広義の失業率(Uー6)」というカテゴリーがあります。

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