地政学リスクで、日経平均の想定レンジを引き下げ

PERを見ると、1万8000円水準は魅力的

瀬川 剛
北朝鮮の挑発的な行為により米朝間の緊張感が高まっている

 7日の日本時間で10時過ぎ、米軍はシリアに向けて巡航ミサイル・トマホークを59発発射した。そして9日、オーストラリアの基地に向けて航行を続けていた空母カール・ビンソンを中核とする米第1空母打撃隊は転進し朝鮮半島に向けて北上を開始した。こうした一連の軍事的行動を受けて市場は地政学リスクを警戒せざるを得ない状況に追い込まれている。

 前稿で4月の日本株は引き続きレンジ相場に留まるのではないかと私見を述べた。そのレンジとしては日経平均なら1万9000円を中心に上下500円程度を想定していたのだが、これを500円下方に切り下げるべきかもしれないと、考えを変えた。

 北朝鮮の金正恩氏は父の死去に伴って最高指導者の地位を継承するや、有能な側近であろうと、自身の地位を脅かしかねない人物を次々と粛清してきたことで知られている。そして体制維持のためにと核・ミサイルの開発を進めてきた。

 そして今年の2月13日、マレーシア・クアラルンプール国際空港において金正恩氏からみれば異母兄である金正男氏がVXガスで毒殺されるという事件が起きた。捜査は依然として途上であり真相は明らかとなっていないが、個人的にはここまでやるのかと、暗澹たる気持ちにさせられた。

 一方、米軍の最高司令官であるトランプ大統領はシリアへのミサイル攻撃後の会見で決断に至った理由について「レッドラインを超えた」からだと述べた。化学兵器の使用がレッドラインであったようだが、シリア政府軍が実際に使用したのか、明白となっていない段階での攻撃には驚かされた。

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