株価下落の「真犯人」は地政学リスクではない!

指数の動きに振り回されるな

清水 洋介
adam121 / PIXTA(ピクスタ)

 地政学リスクが取りざたされ、大騒ぎになっている。しかし、前回の連載で指摘したように、実際は「地政学リスク」で株価が動いているのではないと考えている。

 確かに円高に振れたように見えるが、先週末に米国の経済指標が芳しくなかったことや、トルコの独裁が強まるという懸念からの円高だと考えられる。結局、株式の「需給」ということであるが、日米など各国の金利政策は特に注目しておく必要があるだろう。

金利が株式需給に影響大

 ここ何年かの大きな流れの変化を見ていると、米国でのデフレ懸念、そしてQE(量的緩和策)、金融緩和から通常モードへの移行の動きなどが、株式市場には大きく影響している。もちろん、金融政策だけでなく、社会政策などの影響もあるのだが、「大きな流れ」という意味では金利が株式の需給に影響し、指数が影響されているということは否めない。

 足元では金融政策というよりは「地政学リスク」が大きく取りざたされているが、これまでの「ギリシャ問題」やスコットランド独立の是非を問う国民投票、英国の国民投票、そして米国大統領選挙なども、特に大きな変化に結び付いたわけではない。

 米大統領選挙は大きく変わったということが言われるが、実際には昨年12月利上げに絡む債券から株式へのシフトが相場の大きな上昇要因であり、「選挙」そのものではないと考えている。

 今回の下落も「地政学リスク」と言われているが、実際に何が変わったわけでもなく、当の紛争当事国よりも日本株が下落していることの説明がつかない。先週の下落のなかでも特に影響があったのが、トランプ大統領の「ドル安が好ましい」「低金利が好ましい」という発言であり、「地政学」というよりは金利や為替の問題ということだろう。

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