懸念要因の後退で「新興市場」に熱視線

昨年の5月とは事情が異なる

瀬川 剛
スクオフから持ち直し、この流れは続くか(撮影:梅谷秀司)

 米国株が急速に出直っている。NYダウは3月1日に2万1115ドルの最高値をつけた後、決算内容が嫌気されたゴールドマンサックスやジョンソン・アンド・ジョンソン、IBMなどに足を引っ張られて4月19日には2万0404ドルの安値を付けた。この間、トランプ政権の政策運営への期待が失望に変わったこと、地政学リスクの高まり、フランス大統領選挙への警戒など外部環境の悪化も要因であったことはいうまでもない。

(出所)QUICK

 そんな「不安の重層状態」にあった20日、フランスの世論調査で中道のマクロン候補が首位を保っていると伝わり、ムニューシン財務長官が「近い内に大規模な税制改革案を提示する」と発言、米国の株価は反騰に転じた。23日に行われたフランス大統領選挙の第一回投票の結果は周知の通りである。そして北朝鮮は「建軍節」の25日に核実験もミサイルの発射も実施せず、大規模な砲撃演習を行うに留めた。これを受けて25日のNYダウは最高値を窺う水準まで大幅に続伸、NASDAQ総合指数は史上初の6000ポイント台乗せとなった。NYダウの牽引役となったのは決算内容が好感されたキャタピラーやマクドナルドなどであり、この面からも投資家心理の改善が見て取れる。

 ドイツの代表的な株価指数であるDAXも、フランス大統領選の結果を受けて24日に2015年4月10日に付けた史上最高値を更新した。世界全体の株式時価総額は3月1日に73兆8800億ドルと15年5月の過去最高の75兆6000ドルに迫る場面があった。今後、それを更新する日が近づいているのかもしれない。
  

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 前回、地政学リスクの高まりを受けて4月の日経平均は1万8000円程度まで下値を試すかもしれないという個人的な見解を紹介した。実際には、日銀が5営業日(4月11日~17日)続けてETFを購入するなど“頑張った”こともあり、日経平均は1万8300円近辺で下げ止まった格好だ。そんな構図での調整であっただけに、25日に日経平均が3月30日以来およそ3週間ぶりに1万9000円台を回復したものの、何とも高揚感の感じられない相場付きとなっている。

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